BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――じわじわと緊張感

●SGジャンパー

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 調整の準備のためにピットにあらわれた平高奈菜は、SGジャンパーを着用していた。だからどうしたと言われればそれまでだが、しかしこの舞台で着用しているのを見ると、自分はSGレーサーなのだという誇りを感じずにはいられない。トライアル組のメンバーは、初出場の2人以外は全員がSG経験者なので、それがある意味の威圧になるとは思わないが、ピットの中ではひときわ目立つのは確かである。

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 もうひとり、大山千広もSGジャンパーを着用。オールスターでSGドリーム戦も経験している大山は、登番は下のほうではあるけれども、やはり格上の存在である。その大山は、キャブレターを交換した模様。整備室内の整備状況ボードに32号機のキャブレター交換が示されていたのだ。乗ってみていまひとつなら元に戻す可能性もあるので、直前情報は要チェック。

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 そういえば、昨日のレース後に平山智加がSGジャンパーを着ていたのも見かけている。平山は16年の当地ダービーでドリーム戦1号艇。そして逃げ切り。女子唯一の快挙を果たしている。思い出の水面で、あの日のようなインパクトのあるレースを見せてほしいところだ。

●ややピリピリ?

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 トライアル第2戦。グランプリでもそうだったように、ここで終戦となってしまうケースもあるだけに、少なくとも大敗は避けたい一戦。それもあってか、昨日以上に緊張感が漂っているように思えるのだが、気のせいだろうか。
 初戦大敗を喫してしまった海野ゆかりはプロペラ調整室にこもっている。もちろんエンジン吊りには出てくるわけだが、終われば速攻で調整室に戻る。真剣な表情には迫力さえ感じられる。

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 寺田千恵も同様の動きだったのだが、3R終了後、高田ひかると話し込んでいるシーンが。まさか伸び型に!? 別れ際に高田が「ありがとうございます」と言っていたので、寺田からの激励の類いだと思われるのだが、こういう場面を見るとちょっと妄想してみたくなってしまう次第である。

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 小野生奈は初戦2着と悪くない発進だが、枠番抽選で6号艇を引いてしまった。それでも上位進出を目指して、調整に余念がない。ちょっとだけ言葉を交わすこともできたのだが、明るく元気な小野生奈であるのはいつも通りでも、やはりちょっとした緊張感を見出すことができるのである。BOATBoy1月号のインタビューでは、地元であるということは意識しないと語っていたが、自然に高ぶるものは生じてくるだろう。

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 初戦1着で、今日も1号艇をゲットした田口節子も、まったく手を緩める様子なし。早くからキャブレター調整を行なっており(交換ではない)、さらに万全を期す2日目の朝である。

●シリーズ組

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 2Rで前田紗希が逃げ切り。残念ながら準優には届きそうもないが、4日目にして手にした白星に、爽やかな笑顔を見せていた。戦った先輩たちに頭を下げる様子も丁寧ながら朗らかにも見え、苦労の末に勝利した喜びが感じられるのであった。

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 3Rでは廣中智紗衣が逆転3着。初戦でFを切り、その後もゴンロクを並べてしまって表情にも冴えがなかった廣中だが、その後もしっかり調整は続けてきた。3着ではあるが、舟券絡みを果たしたことで、少しは楽になっただろうか。前田も廣中も、大晦日まで奮闘を!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)