BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――SG開幕の実感

 今年のSGオープニングウィンは枝尾賢! レース前、松田大志郎と柔らかな表情で話していて、今年のSG初陣を前にリラックスしている様子が非常に印象に残った。もちろん、だから勝ったというほど単純なものではないが、肩に力が入りすぎない状態でいれたことが悪かろうはずはない。ワタシなど今日の予想はちょっと力んでいたもので(汗)。レース後も変わらず爽やかな微笑を浮かべていた枝尾を見ながら、自然体の大切さをちょっと感じた次第でありました。

 1号艇で敗れてしまった長田頼宗は、ギヤケースとキャリアボデー交換で臨んだものの奏功せず、レース後も速攻でモーターを外して整備を始めている。ここはおそらく本体に手を付けるものと思われ、9Rは直前情報に注目。

 セット+ギヤケース+キャリボ交換の大整備で臨んだ椎名豊は、努力むなしく6着大敗。レース後はやはり速攻でペラを外しており、さらなる調整が急務といった様子。焦った雰囲気もあったが、なにしろ次が7R。時間の余裕もないのだから、そりゃ焦りもするだろう。その7Rは1号艇。やっぱり急ぎの調整が必要なのだ。

 2Rは新開航が逃げ切り。スリットでは3コースの島村隆幸がのぞいた隊形だったが、たまたま隣で見ていた板橋侑我が「新開、伸び返しすごいっすね」と思わず呟いたほどの足色でしっかりと逃げ切った。うむ、8号機のパワーはやっぱりすごい。レース後の新開はといえば、スタートがやや遅かったこともあってか、少し顔をしかめながら安堵の表情を見せていた。エース機を手にしての初戦1号艇、けっこう緊張していたのかも? 

 このレース後には、遠藤エミがボートを降りるとすぐに菊地孝平のもとに向かって、申し訳なさそうに頭を下げていた。1マークでキャビってしまい、遅れて差そうとした菊地の進路をやや塞ぐ格好になってしまったのだ。遠藤はこれで6着に敗れており、結果的にも、菊地に対しても、もともろ悔いの残る初戦となってしまっている。今日はこの1走だが、このあとは試運転と調整に明け暮れることになりそう。

 遠藤に頭を下げられた菊地はもちろん、笑って許している。ただ、ボートの側面が完全に破損しており、たった今、ボート交換のリリースも届いた。レースの綾で致し方ないとはいえ、菊地としても消化不良の初戦となってしまったかも。
 といった感じでトップレーサーたちの明暗を目の当たりにして、今年もSGが始まったと改めて実感した朝のピットでありました!

 ところで、昨日は多くの選手が本体を外しての整備をしていて、赤岩善生がそれをしていなかったのがなかなか新鮮、というようなことを書いたわけだが、朝から割ってました、本体を。赤岩のなかにはしっかりとした整備調整のプランがあったということでしょうね。さすが整備の鬼。今日は10R1回乗りだから、試運転をしてみてさらに調整を進めていくことだろう。昨日のコメントは一息だっただけに、どこまで立て直してくるかに注目したい。

 あとはドリーム組に本体を割っている選手が多く、石野貴之、馬場貴也、片岡雅裕、桐生順平。初日の朝にはよく見る光景なので、大きな整備とは限らないが、石野は1R展示が終わった頃には整備を終えてそのまま水面へ。また、桐生はボートごと整備室に持ち込んでの本体整備となっている。この二人に関しては何らかの部品交換がある可能性があるので、やはり直前情報は確認していただきたい。

 2R発売中には峰竜太もボートごと整備室へ。ただ、本体を割ってはおらず、いわゆる電気一式のあたりの調整だった模様。その前にはキャブレターを扱っていたので、外回りを入念に調整していたということになる。昨年の出場SGでもそうしていたなあと思い出した。これが最近のルーティンということなのだろう。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)