BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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トーナメント8Rまで終了!のピットから

5R

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 今年のバトルトーナメント、まず勝ち上がったのは中山雄太! イン逃げをきっちり決め手の勝ち上がりに、レース後は力強い表情が浮かぶ。地元開催で、トーナメントのオープニングの1号艇。勝ち上がりは使命でもあっただろう。
 2着は柳生泰二で、A1級のワンツー決着。柳生には船岡洋一郎が「ナイス!」と声をかけている。

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 3着争いが激しく、村上功祐が森永隆を捌いて獲り切った。村上は頬をキュッと引き締めたレース後で、逆に森永は苦笑いが浮かんでいた。運命を分ける3番手争い、森永としてはその運命を受け入れるしかないといったところか。

●6R

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 スタート展示では6コースだった菅章哉だが、本番は4カド! 5号艇の盛本真輔、6号艇の北野輝季が菅をマークする形で、バック水面から大きく回って枠番通りのコースに入った。これぞチルト3度の菅章哉!
 しかし、菅の4カドまくりは不発。カド受け3コースの赤岩善生にがっちりと止められて、目論見どおりにはならなかった。もちろん、盛本も北野も同様だ。ピットに戻ってきた菅は、さすがにガックリ。カポック脱ぎ場では顔を歪めて、天を仰いだりもしている。菅に寄り添ったのは森高一真で、見た目イカついけど優しいんです、森高先輩は。菅としてはかなり悔しい結果となってしまったが、前を向いて復活戦でリベンジを!

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 一方、赤岩としてはしてやったり、だろうか。3着に終わってはいるが、勝ち上がり権利は確保したし、ヘルメットの奥で目が明らかに笑っていた。それなりに満足感を得られたに違いない。菅にとっては、赤岩が文字通り大きな壁として立ちはだかったわけだ。

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 そして、逃げた山田雄太はホッとした表情を見せている。もちろん菅の存在が脅威になっていたはずだから、赤いカポックが飛んでこなかったことは大きかった。赤岩と会話を交わす場面もあったが、山田としては赤岩様様だったりして?

●7R

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 進入から波乱となってしまった。原田幸哉がピット離れよくインをうかがう流れで、1号艇の酒見峻介が2マークに接触、これでエンストしてしまったのだ。しばらくは待機行動が続いたが、「黄色!?」「黄色!」とピットに出てきた選手が騒然とする中、発走やり直しとなっている。黄色とは、黄色の信号灯で発走やり直しの合図だ。
 酒見は残念ながら欠場。高田明、安河内将の佐賀支部勢が後輩の無念に溜め息をついた。1Rでは軽快な足色を見せていただけに、この1号艇を走りもせずに活かせなかったのは悔しすぎる。先輩たちも後輩の胸中を思えば、無念を共有するしかなかっただろう。

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 再発走となったレースは、徳増秀樹が差し切って1着。もちろん会心の思いもあっただろうが、ピットに戻ってきたときはまず仲間と進入について語り合って、苦笑いを浮かべるのだった。後味が悪いとまではいかなくても、複雑な思いが沸いてくるのも当然だ。

●8R

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 宇野弥生が女子勝ち上がり一番乗り! 女子選手の登場はこの8Rからとなったが、見事に4コースから差して快勝を果たした。ピットに戻ると、原田幸哉が背中を何度もポンポンと叩く。原田は7Rの件により帰郷となってしまうのだが、その前に後輩の快走を見られて嬉しかったのだろう。さらに赤岩善生もニコニコと笑顔を向けて、北野輝季も朗らかに宇野を称えた。ここまで笑顔に包まれれば、宇野自身ももう笑顔爆発! 女子ビッグなどでも宇野と顔を合わせることは何度もあったわけだが、ここまで弥生スマイルを満開にしていたのを見るのは実に久しぶりのような気がする。おめでとう!

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 一方、1号艇を引いていた倉持莉々は2番手3番手の競り合いには持ち込んだものの、4着に敗れてしまった。同期の中村桃佳が寄り添ってはいたが、やはり悔しさは隠せない。この憂さは復活戦で晴らしてもらいたい。

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 2着は松尾充。6号艇6コースからの勝ち上がりはなかなか大きいが、ピットでは粛々と対戦対手に頭を下げて回るだけで、高揚感は見えないのであった。松尾兄弟は、弟の拓もそんな感じですね。クールなツインズなのだ。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)