大変遅くなりましたが、私（畠山）なりの準優の見解をお伝えします。今回は現場から離れての自宅モニター観戦。その範囲で分かること、推測できることを列挙しておきましょう。
９Ｒ
①長嶋万記（静岡）10
②西橋奈未（福井）16
③細川裕子（愛知）15
④宇野弥生（愛知）11
⑤日高逸子（福岡）18
⑥水野望美（愛知）17
【レース】４カドの宇野がスリットから飛び出したように見えたがまくりを自重。イン長嶋がトップＳから１マーク先取りで逃げ圧勝。ほぼ無風の静水面で３コース細川の握りマイが威力を発揮、そのまま後続を寄せつけずに２番手を取りきった。人気の一角・西橋は細川の引き波をモロに浴びて引き波にハマってズルズル後退した。
★４カド宇野はなぜ絞め込まなかったか＝↑御覧のとおり絞め込むにはやや厳しいスリット隊形で、何度かリプレイを見た限りでは宇野がスリット直前でちょっとアジャスト風にも見えた。それら込み込みで「細川に行かせてからの差しが最善策」と考えたのではないか。
★細川２着の“勝因”＝宇野の踏み込みを受けて早めに仕掛けた、静水面で全速マイのスピードが生きた、サイドの掛かり～出口の押し足もしっかりしていてパワー面でもヒケを取らなかった、という感じか。
★逃げた長嶋の正味のパワー＝逃げ圧勝だったので鑑定は難しいが、危なげなく細川を引き離したあたり「全部の足が強めのバランス型」という戦前の見立て通りではなかったか。ただ、上りタイムの１分48秒５は準優１着では最も遅い数字ではあった。
10Ｒ
①高田ひかる（三重）17
②守屋美穂（岡山） 15
③寺田千恵（岡山） 13
④中田夕貴（埼玉） 10
⑤小芦るり華（佐賀）14
⑥遠藤エミ（滋賀） 09
【レース】スリットでイン高田を煽った守屋がそのまま優位を保ってジカまくり敢行。これを高田が受け止め、２マークでも守屋の強烈な差しをギリギリ凌いで逃げきった。迫力あるデッドヒートだった。パワー的に上位と見られた寺田は１マークで握ろうとした瞬間、守屋に出鼻を挫かれ攻め場を失って万事休す。３着には実力者・遠藤が飛び込んだが、準優のパワー相場ではさすがにコースが遠かった。
★守屋のジカまくり作戦＝安定板が外れて、守屋の直線足がアップした感あり。高田の伸び返しにまったくヒケを取らない行き足～伸びでごく自然な先制攻撃に見えた。初動の掛かりがややスカしたような気もしたが、旋回直後の舟の返りはかなり俊敏かつ力強く、板が外れて全体的にパワーアップに成功したのではないか。
★逃げた高田の正味のパワー＝随所に守屋に追いつめられたが、セカンドの足で守屋を突き放すストレート足はやはり強力無比。のみならず上りタイムも１分47秒９と節イチ数字をマークしており、直線以外の足もしっかりしていたはず。２号艇のファイナルではさらに直線足を研ぎ澄ます可能性が高い。
11Ｒ
①田口節子（岡山） 02
②中村桃佳（香川） 08
③浜田亜理沙（埼玉）09
④鎌倉 涼（大阪） 07
⑤松尾夏海（香川） 04
⑥平高奈菜（香川） 01
【レース】例によって節イチ田口36号機が起こしから軽快に出て行って逃げ完勝。２着争いは１マークから乱戦に。４カドから伸びなり握った鎌倉を伸び返した浜田が身体を張って応戦！ 大競りで真横に吹っ飛ぶ２艇を横目に、５コース松尾がズッポリのマーク差しで２番手に浮上した。
★逃げた田口の正味パワー＝もはや多くを語る必要なし。起こしタイミングは外艇とほぼ一緒に見えたが、そこから田口だけがズンズン突き進んであわやＦの強烈出足。その後の行き足も抜群で１マークまでに軽く２艇身は飛び出していた。１マークまでこのレースとまったく同じ航跡を辿れば、おそらく高田をも完封するだろう。「コンマ02・おそらくほぼ全速」の連発は至難の業だけど。
★混戦２着争いの見方＝↑センターほぼ同体だが、ダッシュの利と（おそらく）全速の利で４カド鎌倉が数字以上に突出。「内は叩ける」と判断して一気に絞め込むも、直後からの浜田48号機の伸び返しが鎌倉の推測を上回ったか。あっという間に横並びになったが、両者ともに引くに引けないデッドゾーンに入って大競りの道だけが残された。
あとは２コース桃佳、５コース松尾、６コース平高の差し合戦となり、大競りのジカ外からスピードを持って差し抜けた松尾が２艇身ほどのアドバンテージを獲得。その利をキッチリ活かしきったのは天晴れの一語だが、展開一本の１マークだったため正味のパワーは分かりにくい。
はい、これら私なりの見解をミキシングして後ほど優勝戦予想をアップするつもりですが、もっとも気になるのは桐生の水面環境！ 今日もまた安定板装着＆周回短縮なのか。ならば昨日の見立てはリセットして４日目までの鑑定を重視すべきかも知れないし……現場にいないのがもどかしいっす＞＜ で、現地ホテルの池上カメラマンに問い合わせると11時30分現在「強風注意報が出てるくらいには吹いてます」とのこと。ウムム。（photos/チャーリー池上、text/畠山）
