BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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宮島オールスターTOPICS 初日

もっと荒れるはず!!??

 初日のインコースは1R守田俊介の逃げきりどなど7勝5敗で、万舟は2発のみ。私・畠山の勝手な事前予想は【イン6勝6敗・万舟4発】と踏んでいたのだが、それよりは穏やかなSGらしい1日ではあった。だがしかし、今日だけでなく「今節は6日間を通じて通常のSGよりインコースが飛びやすく、万舟が飛び出しやすい」と予想しているファンは、私だけではないだろう。波乱の要素をピックアップしてみよう。

★今シリーズは菅章哉・藤山翔大・高田ひかるはじめ、絞めまくりを得意とする選手がやたらと多い。
★選手だけでなく、スリットからしっかり伸びるモーターも多い(私の見立て)。
★その上、西島義則、江口晃生、深川真二、田頭実など、オラオラ唯我独尊の前付けファイターも多い。
★宮島はコース形態的にスタートの景色判断が難しく、スリットで凹凸が発生しやすい。
★しかも、この季節の宮島は今日のように日中のどこかしらで追い風⇒向かい風に変わることが多く(地元に精通した記者さんの情報)、スタート勘が掴みにくい。
 などなど。これらのファクターが入り乱れれば、インコースの信頼度が大幅にダウンするばす、と考えるのはむしろ自然の理ではなかろうか。そんなこんなで、明日以降も「インが随所にぶっ飛んで万舟が濫発する!」と勝手に信じて舟券を買い続けるつもりであります。どうなることやら??

 さてさて、今日のパワー鑑定も少々。今節は伸び~~るモーター&伸び~~る選手が揃って派手な空中戦が予想されるのだが、そのリバウンドとして劣悪なワースト級パワーもやたらと目についた初日だった。列挙しておこう。

×桐生順平/ギヤケース
×新田雄史/ピストン2・リング4・シリンダーケース・ギヤケース
×田村隆信/キャリアボデー・ピストン2・リング4・シリンダーケース
×今垣光太郎/キャリアボデー・ピストン2・リング4・シリンダーケース
×寺田 祥/ギヤケース
×上野真之介

 ざっとこの6人。上野真之介以外の5人はそれなりに大がかりな部品交換や本体整備がなされたが、「当たり」と呼べるほどの手応えはなかったのではないか。少なくとも、実戦での5人の足色は明らかに劣勢に思えた。

 1Rの前にギヤケースを交換した桐生順平は、3号艇3コースで2着入線。この成績だけなら不安要素はなさそうだが、道中の気配は一息どころか超厳しいムード。3番手の鎌倉涼にターンマークごとに追い詰められ、最後はコンマ1秒差の接戦でギリギリ2着を守りきった。
 さらに、後半8Rも2コースから外艇に揉まれに揉まれ、持ち前の粘り強い追い上げがまったく見られないまま5着大敗を喫している。2戦連続で先行艇からズンズン置き去りにされ、後続艇にグングン差を詰められる順平って、なかなかにレアな光景だった。

 田村隆信と上野は、機力だけでなく運も悪かったというべきか。まったくパワーの底上げができないまま、絶好枠の1号艇が……6Rの上野は菊地孝平の絞めまくりを浴びて4着。9Rの田村は起こしからまったく加速感のない出足で、2コース濱野谷憲吾に軽々とまくられ6着に沈んだ。
 上記6選手以外にも、ギヤケース交換した丸野一樹(5Rは逃げきったけど)と池田浩二あたりも、本来の地力が発揮できない劣勢パワーである可能性は高い。

 一方、部品交換で大なり小なりパワーの底上げに成功した選手も見受けられた。たとえば、ドリーム戦の前にキャリアボデーを換えた白井英治。相棒の16号機は地元の記者さんが「Eランク、特に伸びが酷い」と匙を投げるほどの劣悪パワーだったはずだが、いざドリーム戦では展示タイムも実戦の伸び足も水準以上に仕上がっていた。間違いなく「当たり」と考えていいだろう。

 たとえば、ギヤケースと電気一式の交換で【2号艇1着・6号艇3着】と結果を残した磯部誠。正直、レース展開に恵まれた着順にも見えたが、ターン回りを中心にギリギリ戦えるレベルはありそうだ(ストレート系はまだまだ厳しそう)。
 ただでさえストレート系の優劣が激しいシリーズで、“ハズレくじ”を引いてしまった選手たち。明日以降も決死の調整が続くはずで、どの選手がどの段階でパワーアップに成功するか。その見極めをできる限り迅速に掌握できれば、舟券作戦でも主導権を握れる気がするのだが、どうだろうか。(photos/シギー中尾、text/畠山)