BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――投げない!

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 遅くまで試運転をしていた前田篤哉。今日は1号艇6着という痛い一敗があった。それが4Rのこと、その後に整備をしていたかどうかは確認できなかったが、明日以降のためにもろもろと模索していた可能性は高い。準優進出は相当に厳しい状況となってしまったが、投げるわけにはいかない。もっとも、試運転からあがってきた前田の表情は、やはり明るさに欠けていた。明日もまだまだ調整が必要となってくるかもしれない。

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 宮之原輝紀がついに本体を割った。8R、2着とはいえ、1号艇で取りこぼしたのは痛い。4走14点ということは、明日の2走を連勝しても6・00には届かない。やはりどうしても1着が欲しかったのだが……。とにかく、やはり投げるわけにはいかないのであって、一縷の望みにかけての本体整備か。いや、準優うんぬんは関係なく、這ったまま終わるわけにはいかないだろう。

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 ここまでまだ舟券絡みのない竹田和哉も懸命の調整を続けている。今日はプロペラのあと、リードバルブの調整に集中していた。考え就くことはすべてやり尽くして、という構えだろう。竹田もまた4走14点、宮之原同様に厳しい状況だが、まだまだ折れていないのは明らかである。

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 残念ながら投了となってしまったのは小池修平だ。7R、コンマ07の勇み足で即日帰郷。その7Rもピストン1本、クランクシャフト、キャリアボデー、電気一式、ギヤケースと部品交換をしての登場で、今節は本当に整備に明け暮れていた。しかし、その努力もむなしくリタイアしなければならないのは、かなり大きな痛恨であろう。さらに12Rでは選手責任の転覆失格。踏んだり蹴ったりとはこのことか。次の機会の雪辱を期待して、その背を見送ろう。本当にお疲れ様。戦いぶりはしかと見せてもらったぞ。

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 踏んだり蹴ったりはもう一人。同じく7Rでフライングに散った百武翔だ。前半3Rは落水失格と、小池と似たようなパターンの3日目なのであった。それでも最後まで残って、仕事に精を出していた。百武はあと3日間、戦いが残っている。なんとか一矢報いてもらいたいと願う。

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 ところで、水神祭記事のとおり、12R発売中のピットはおおいに盛り上がった。3組が相次いで行なったため、関係選手はもちろん、そうでない選手たちもギャラリーとして拍手を送ったり、笑い声をあげたり。そうした喧騒のなか、黙々とペラを叩いていたのが関浩哉だ。11Rは3着。6号艇6コースからの3着は、しかも道中前を抜いて抜いての3着は、悪くない戦いぶりだったとは思うのだが、盛り上がりに背を向けて、プロペラに視線を送る。まあ、関東地区の選手の儀式があったならばそうはいかなかったかもしれないが、己のやるべきことを惑わずにやり抜く姿は、まさしくプロの勝負師然としたものであった。超抜パワーは明らか、さらに調整を進めて、明日は万全の態勢で勝負駆けに臨む。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)