BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――かんけいあらへん!

 2Rの進入が注目された。藤山翔大が1号艇。しかし、前節の鳴門で節間2本のフライング。今節はスタートがまったく行けていない。5号艇には深川真二。前付け必至。イン主張なら起こしは深くなる。藤山、さあどうする?
 スタート展示はインに入る素振りを見せず、深川の前付けに突っ張ったのは辻栄蔵で251/346の並びだった。そして本番、内の2人は同じだったが、藤山は敢然と3カド! いや、深い起こしでもSは不安だが、3カドでも同じこと。行けるのか、藤山!

 行った。コンマ08。完全に仕上がったときほどの伸びはなかったが、3カドまくりを決めてみせた。内から辻、平高奈菜に迫られたが2マーク全速で先頭へ。お見事!
 ピットに凱旋した藤山は、実に充実感あふれる顔つきだった。勝ったこともそうだし、この状況でスタート行けたのもそうだし、1号艇だからインという安易な選択をせずに凝らした戦略がハマったこともそうだし、いろんな意味で会心の勝利だっただろう。

 藤山はすぐに全員のもとを回って頭を下げる。辻は「いえいえ、とんでもない」と返していたから、トリッキーな進入をしたことについても一言あったかも。こうした戦い方に対していろんな反応はあるだろうが、かんけいあらへん! 僕は圧倒的に支持します。予想も当たったしね!

 この藤山のレース後と、真逆の雰囲気だったのが永井彪也だ。昨日までの悪い流れを断ち切ることができず、6着大敗。6号艇だから、という発想はまったくないはずで、大敗自体が、あるいは敗戦続きから脱出できないことに対しても、ただただ愕然ということなのだろう。肩を落としている姿は彪也には似合わない。現実的に予選突破は相当に厳しい状況だが、永井らしい爽快なレース、表情を見せてもらいたい。

 そうそう、1Rもまた3カドまくりだった! SGでオープニングから2レース連続で3カドまくりとは、記憶にないぞ。藤山は1マークで決着というよりは2マークでねじ伏せた感じだったが、1Rの大上卓人は1マークでまくり切った! 2コースの江口晃生がヘコんでいたからまくり差しという選択もあっただろうが、迷わず握って内を沈めた。3カドまくりそのものもそうだが、その決断が素晴らしかった。
 大上もまた、レース後には会心を隠さない、晴れ晴れとした様子を見せていた。地元SGでここまで2勝3着1回。上々の成績で来ていることも心を弾ませているだろう。委員会推薦枠での出場で、予選で1号艇が回ってこない公算大だが、現時点で準優進出の目がハッキリと見えてきた。後半10Rで当確を出したいところですね。

 さて、昨日あたりから同じTシャツを着用している選手が目立ってきている。Congrats! おめでとう! 遠藤エミのクラシック優勝記念Tシャツだ! 遠藤から出場選手に配られたようで(というか、控室の入口に大きな段ボールが置いてあったから、選手の皆さんご自由に、って感じかも)、歴史的勝利を称える仲間たちが次々に袖を通したというわけだ。毒島誠も着ています!

 で、遠藤エミ自身は別のTシャツ着用という。照れくささもあったりするのかしらん。着用しているのを目撃したら報告します!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)