BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――頑張れ初出場組&地元勢&ブスちゃん

 今節はSG初出場が4人。柳生泰二、本多宏和、河合佑樹、宮之原輝紀だ。柳生は西山貴浩らと同期の97期生。デビュー約17年で、この舞台に辿り着いた。SG初出場といっても、キャリアは十分。同期の土屋智則もいることだし、浮足立つこともないだろう。前検の作業にしても、いたって淡々としたもので、自然体でいる様子がうかがえた。

 本多と河合は102期の同期生。これは心強いことだろう。さらには上野真之介、前田将太も102期生で、心安い存在が揃っているのも大きい。上野が装着作業をしていると、まず前田が歩みより、やがて本多と河合も合流。いきなり“同窓会”の様相を呈しているのであった。本多は地元でもあり、感慨深いものがあるはず。この期において現時点で出世頭となっているのは、やはり遠藤エミということになる。歴史的快挙を成し遂げた同期生は今節不在だが、この場にいるそれぞれがお互いの支えとなって、遠藤に続く結果を残したいところ。

 宮之原は、今節最年少での出場である。トップルーキーの肩書も持つ若手が、初めて目指す舞台に足を踏み入れたわけだ。1カ月前のヤングダービーでの様子を思い出せば、やはり今日は緊張感が見えている。いちばんの後輩であることも加味すればそれで当然だと思うし、だからこそ失うものはないのだと腹をくくって勝負してもらいたい。会話を交わしているのを見かけたのは、東京支部の先輩である濱野谷憲吾に中野次郎、さらに世代の近い羽野直也など。まだ話もしたことがないトップスターもいるのだろうが、臆せずにどんどんと話しかけて、この場の空気に慣れてほしいなと思います。

 さて、整備室を覗くと、池田浩二が早くも本体を外していた(スタート練習とタイム測定の後)。池田にとって、常滑は地元中の地元。対岸には「常滑のスーパースター」と看板が掲げられるほど、常滑にとっても池田は特別なレーサーだ。これまでも常滑SGでは気合満点の表情を見てきているし、モーターが劣勢となればあらゆる手だてを駆使してパワーアップに励む姿も見てきた。だから、前検からの整備は想定内といったところ。ただ、表情に焦燥感のようなものは見当たらず、かなり苦しみながら優出した19年オーシャンカップとは一味違うように見えた。手応えはそこまで悪くない?

 赤岩善生も本体をバラしており、やはり地元SGへの気合がうかがえる。まあ、赤岩が前検から本体整備をするのは決して珍しいことではなく、だから今日の気配が悪かったと判断するのは早計なのだが、パワーアップへの執念を早くも見せつけているとは言えそうだ。
 その赤岩が、なぜかモーター架台の準備をしていた。マスターズチャンピオンでは新兵なので、こうした動きは当たり前なのだが、SGでもやるの? 実はこのとき、水面では9班=山崎郡、椎名豊、羽野直也、関浩哉、宮之原輝紀がスタート練習を行なっていた。新兵たちが水面にいたというわけなのですね。というわけで、赤岩が率先して動いたというわけ。あら、よく見ればその後ろでは岡崎恭裕も手伝ってる。若手がその場にいなければ気づいた人がやればいい、ということなのだろうが、SGで赤岩がこの姿を見せたというのはなんだか新鮮でありました。

 さてさて、上の3枚の写真を見て、何かお気づきでしょうか。背中は秋山直之に田口節子であります。そう、毒島誠がTシャツを“後ろ前”に着ていたのですね。ちなみにTシャツは椎名豊のオーシャン優勝記念Tシャツです。これが新しいファッションなのかな。というわけで、毒島に「わざとですか?」と尋ねたら、毒島ははっと目を丸くして「わざとです!」。そして「せっかくだから、たまには背中のデザインをちゃんと見せなきゃ、と思って」。なるほど~(笑)。そう言ったあと、即座に「ありがとうございます!」と苦笑いのブスちゃんなのでありましたが。でも、さすが毒島誠、あんまり違和感ないですよね。毒島ほどのスーパースターにもうっかりはある。我々がなんか間違うことがあったとしたって当たり前、ですよね。ドリーム戦1号艇、頑張ってください!(黒須田)