BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――通算2500勝おめでとう!

 1Rで三角哲男が逃げ切って、これが通算2500勝! おめでとうございます! 歴代37人目の達成となり、ボートレーサーは過去5000人以上もいるなかでの37人目なのだから、これはまさしく偉業である。
 当欄では、SG初勝利だ、GⅠ初勝利だの水神祭はよく取り上げているわけだが、通算勝利の区切りに行なわれる水神祭を取り上げる機会は多くない。これはそのチャンスかも、と期待していたんだけど、残念ながら行なわれませんでした。カメラマンさんによると、ガッツポーズを要求しても「いいですよ、そんなの」と照れ笑いで断わったとか。これだけキャリアを重ねてくると、区切りの勝利といってもそのあたりには恬淡としたものなのかもしれない。長く走っていればいつかは、くらいの感覚なのかな。ともかく、三角にはさらに勝利を重ねていってもらって、我々の舟券に貢献してほしいところであります。

 2Rは太田和美が6コースから激勝! 3連単は10マンシュウとなった。またまた追い風が強くなり、このレースから安定板が装着されており、水面も荒れたが配当も荒れたわけである。この勝利に、太田自身よりは松井繁と田中信一郎がテンションを上げており、エンジン吊りでは二人の笑いが止まらなかった。太田も微笑は浮かべていたものの、そこまで笑顔は大きくならず、かわりに松井と田中が爆笑モードのテイ。F2だし、6コースだし、むしろビハインドも多かったなかの勝利は、仲間の意気を上げるのである。

 この時点で、3Rからはレース2周、周回展示1周と、周回短縮が決まっていた。選手にとってはなかなか大変な水面状況となって、こうなると忙しくなるのは選手班長。さまざまな選手と話し込んでいたし、見えないところでは競技本部との連絡などで走り回っていたはずである。若松では一昨年のオールスターで、初日1Rの周回展示後に水面が荒れに荒れ、1時間30分ほども発走が伸びたうえに中止順延となっているが、あのときも瓜生が忙しそうにしていたのを思い出す。班長はなかなか大変なのです。そんななかで、3日目終了時点で得点率1位タイなのだから、凄いよね。

 というわけで、今日も今日とて、選手たちが次々に安定板装着の作業を進めていた。1R組は、レースでは装着なしで、2回乗りの選手たちが急いで装着作業に取り掛かった。なかでも、7R出走とあまり時間がない齊藤仁は、装着後に大急ぎで水面へとボートを下ろし、調整作業に精を出した。1Rを走ったときとはパワーも感触も変わってくるだろうから、このあとは調整に奔走することになるだろう。

 逆に様子を見ていたのは、田村隆信や今村暢孝ら、12R1回乗りの面々。時間がたっぷりあるうえに、今後の気候の推移がわからないなかでは、まだ安定板を装着して、ということにはならなかったわけだ。それでも、調整の方向については思案しているようで、田村も今村も何度も装着場に姿を見せ、また整備室に出入りしたりなどしていた。ちなみに、これを書いている時点ではどんどんと水面が荒れる一方になっております。このあと、どうなるんだろう……。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)