BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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安定板&周回短縮、の4日目前半ピットから

 天候一変。雨が降り続き、向かい風が強く吹いていた昨日とは正反対の天候だ。快晴、強い追い風。特に風が昨日以上に強くなっており、1Rから安定板が装着されている。実は昨日もそうだったのだが、土屋実沙希が水面を見つめている時間が長い。選手班長としては、やはり水面状況はおおいに気になるところ。たとえば昨日は鎌倉涼、平高奈菜、高田ひかるとともに長らく水面を眺めた。そこに今井裕梨も加わった時間もあった。今日は、今井とともに眺める時間が長かった。選手班長と登番最年長。あるいは選手班長と今節の主力選手。もちろん、安定板を着けたり周回を短縮することを決定するのは執行委員で、選手班長ではないが、選手をまとめる存在として意見を具申することはあるだろう。なにしろ、身をもって危険さを感じるのは選手なのだ。選手の立場を守る者として、選手班長が水面状況をチェックするのはひとつの役割である。これは今節だけに限ったことではなく、SGなどビッグレースでも同じことだ。SGでは選手会長が出場していることが多いから、その人=瓜生正義が何度も水面を見つめている場面をよく見かける。

 というわけで、なかなか大変な状況となった4日目。団体戦が始まった5Rからは、本番2周、周回展示1周に短縮もされている。その荒れ水面を切り裂いたのは平田さやか。波風が激しいときに、江戸川をホームにしている東京支部が有利というような言説があったりするわけだが、そうは言っても女子選手の江戸川出走が多いとは限らないので、こと女子に限っては眉唾ではないかと僕は睨んでいるのだが、こうもきっちりと抜け出されると、やはりアドバンテージがあるのかと思えてくる。レース後の平田は実に涼しい顔で引き上げてきているから、なおさらこのような水面状況もどこ吹く風なのか、と思ったりして。

 6Rでは、やはり東京支部の高石梨菜が逃げ切り。女子であっても、やっぱり東京勢がこういうときは強いの? 今調べてみたら、高石のレース場別勝率で最も高いのはなんと江戸川。やっぱりそういうことなのか!? ただ、高石からは勝利の高揚はまったく見られず。今節がはじめましてなので、そういうタイプの可能性もあるのだろうが、実はレース後に不良航法が言い渡されている。ハッキリ言って、どこでやったのかまったくわからなかったのだが、リプレイを見ると1マークで旋回の際に2コースの喜多那由夏に軽く接触。これでバランスを崩した喜多に、さらに安河内健が玉突きとなって大きく後退。その事態を重く見たようだった。別に当てようとして当てたようにはまったく見えないのだが……もしかしたらそのあたりの自覚があっての、浮かない表情だったのかもしれない。

 これだけの荒れ水面で、しかも追い風となれば、1マークは誰もがバタバタした旋回になってしまっても仕方がない。こういう乱戦では、むしろ技量で圧倒的に上回る安河内健に不利な展開が生じてしまったりするもので、痛い6着大敗を喫してしまっている。ピットに上がった直後は苦笑いも浮かべていたが、控室に戻る際は迎えるカメラマンに「撮らないでくれ」と言わんばかりに下を向きながら足を速めていた。これで得点率は男子5位に後退。予選突破が有力なことには変わりないが、しかし冷や汗を感じながら後半の結果を待つことになる。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)