BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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“準決勝戦”に向けての勝負駆け!の4日目前半ピットから

 1Rから勝負駆け! ということで、地元の砦、稲田浩二が1号艇で登場した。今日は1着2着が必要で、ここは逃げ切り快勝。後半に望みをつないでいる。もっとも、それでも感情を表に出さないのが稲田流。その後ピットにあらわれたときにも、昨日までと何ら変わりない様子で過ごしていたのだった。後半12R。たっぷりと時間があるだけに、じっくりベストを模索して調整を進めることだろう。

 もはや勝負駆けにはほぼ関係ないのだが、昨日までオール6着だった山田哲也が、2着に入ってドンケツロードを脱した。さすがにホッとしたところがあったようで、気分もアップした様子である。桐生順平には「ちょいちょい~~、元気出ちゃってるんじゃないの~~」とからかわれたりして(笑)。つまり桐生も山田を心配していたのであって、軽口を飛ばせる状況を喜んでいるのである。

 佐藤翼は3着で、後半は4着で6・00に到達。やや楽になったとはいえ、5号艇と外枠だから事はそう簡単ではない。というわけで、着替えを終えるとすぐに調整モード。もちろん単に準優に乗れればいいと考えているわけではなく、少しでも好枠を狙おうというわけなのだから、ゆっくり休んでいるヒマなどないのである。

 2Rは石丸海渡が5コースからまくり差し快勝! これで準優は当確、後半は好枠を目指しての戦いとなる。外枠からの快走ということもあってか、実に明るい表情でピットに帰還し、笑顔で出迎えた中村晃朋らに充実し切った顔つきで応えていた。昨日のYouTube「週刊BOATBoy」のインタビューに出演してもらったので、そのお礼を伝えつつ祝福すると「たまたまです」とニッコリ。いやいや、そんな謙遜の必要がないほど、見事なレースでしたぞ。

 太田和美は2着で、後半に望みをつないだ。その後半9Rは1号艇。必勝の白カポックだ。レース後の柔らかい表情が実に印象的で、鹿島敏弘と話し込むというレアな絡みがまた興味深かった。鹿島としても大先輩との会話はおおいに刺激になったはず。

 3Rでは田口節子が6コースから2着。絶体絶命の立場からなんとか後半ピン勝負に持ち込んでいる。もちろん、12R2号艇での登場、白カポックは桐生順平だから大変な勝負駆けではあるが、それでも可能性を残したのは大きい。昨日の1号艇での勝利後には顔をしかめていた旨をここでもお伝えしたが、今日のほうが明らかに表情が明るかった。2着ではあっても、感触に手応えをつかみつつあるということだろうか。茅原悠紀も柔らかい笑みを向けており、確実な上昇がうかがえる。

 その3Rで憔悴した表情だったのはシンガリ負けを喫してしまった大峯豊。3日目終了時点で18位とボーダー上におり、必要着順は3着2本。得点にすれば12点だ。ところが、この6着で後半1着でも今日上積みできる得点は11点で、1点不足してしまうことになってしまった。当然その状況は把握していただろうから、まさかの大敗に対する悔恨とともに、準優行きにおいて崖っぷちに立たされることになった失望も胸を埋めたことだろう。必要得点12点というのは、あくまでボーダーが得点率6・00に収まった場合である。下がる可能性はいくらでもあるわけだから、折れることなく後半を全力で戦ってほしい!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)