１Ｒで丸岡正典が今節２度目の転覆をしてしまった。いずれも選手責任の転覆で、あまりにもリズムが悪い。幸いにも身体は無事で、着替えを終えると駆け足で転覆整備のため整備室へと向かっている。それでも、落胆の様子はありありで、また屈辱でもあろう。そんな丸岡を癒すのはやっぱり同期。田村隆信が声をかけると丸岡は笑顔を見せ、同支部の湯川浩司も転覆整備をヘルプしながら丸岡を気遣った。
昨日も笠原亮の転覆整備の様子を記したが、丸岡の整備も大阪支部が総出で助ける。それはキャリアや先輩後輩など関係ない。ということはもちろん、松井繁も田中信一郎も太田和美も参加するわけである。なにしろ、丸岡は後半５Ｒに出走するのだ。何もなくたって中３レースで後半の準備をするのは慌ただしくなるものだが、転覆して水に浸かったモーターを出走態勢に漕ぎつけなくてはならないのだから、実績がものすごい先輩たちも心配そうに丸岡を見守りながら、できる限りのヘルプをするというわけである。
この１Ｒは、藤原啓史朗が１号艇で水神祭の大チャンスだったが、残念ながら差されてしまった。石渡鉄平の４カドまくりをなんとかこらえたのだが、片岡雅裕、寺田祥にズブズブとふところを捉えられた。これもまた無念。レース後は茅原悠紀が言葉をかけ、藤原は悔しそうに顔を歪めていた。茅原の助言なのか慰めなのかはエンジン吊りの間じゅう続き、作業を終えて離れていった茅原に藤原は最敬礼で、深々と頭を下げるのだった。６Ｒは５号艇だが、もちろんチャンスがないわけではない。３連勝の馬場貴也をストップしての水神祭も乙なものですぞ。
で、まくり差しでぶち抜いて勝利を手にした片岡雅裕は、やっぱり淡々としたものなのだった。着替えを終えた後も粛々と後半８Ｒのためにプロペラ調整へと向かっている。初日２日目のゴンロクを巻き返す１着だったというのに、高揚感を見せずに自然体の姿を見せるマーくん。まあ、これが片岡らしさではある。
２Ｒは山口達也がまくり差し快勝。２勝目で、昨日は３着２本だからなかなか快調である。山口に声をかけたのも、やっぱり茅原。児島のエースは岡山勢の精神的支柱にもなっているのだろう。心安い後輩に言葉をかけられて山口は、おどけたように目を見開いて、そして笑った。ゴキゲン！ ワースト級のモーターを引きながらのこの活躍、気分が悪かろうはずがないのである。
一方で顔を歪めまくったのは池田浩二だ。外枠だったとはいえ、４カドが手に入ってのシンガリ負けはやはり屈辱的だろう。得点率争いでも大きく後退する痛い大敗。後半の１号艇は絶対に負けられない戦いになった。そんな池田に寄り添ったのは、同期の寺田祥。やっぱり同期の絆というのは強いものだ。寺田自身は１Ｒ６号艇２着で反撃モード。その勢いを池田も分けてもらいたいところだろう。
そして、とにかく表情が渋かったのが原田幸哉だ。機力的にも厳しいように見えるわけだが、反転の兆しがいまだ見つかっていない。２Ｒ４着で、まだ舟券絡みもできていない状況。着順もそうだろうが、調整に反応してくれない相棒への不満も大きいだろう。今日はこの１回乗りだが、まだまだ忙しそうな一日になりそう。大きな整備も考えるかも？（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 ＴＥＸＴ／黒須田）
