BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

コバユー水神祭!の3日目後半のピットから

 7R、木場悠介が逃げ切り。前半記事で「明るい表情を見たいもの」と書いたら、見られた! もっとも、ピットに戻ってきた直後はただただホッとした表情で、笑顔というよりは整備が実って白星を獲れたことへの安堵だったり充実感だったりが強かった。笑顔が出たのは水神祭!

 そう、木場はこれがGⅡ初勝利で、同支部の先輩・下條雄太郎が「やる?」と聞いたところ「お願いします!」と懇願していたとか。長崎支部からは下條と木場ふたりだけの参戦ではあったが、水神祭となれば、九州の先輩たちも集合! 岡崎恭裕や池永太、前田将太らも続々とやって来て、せーのでドボンと相成ったのだった。通算1000勝の片岡雅裕は大時計前での実施だったが、今回はピットのボートリフト周りでの実施。今日は暑いから、気持ちよかっただろうなあ。次はもちろん、A1級を目指し、記念に出場してGⅠ水神祭を! もちろんその上、SGも目指してくださいね。今日はおめでとう!

 水神祭を待っていると、背中から甲高い声で「木場さん、投げられるんですか?」と声がかかった。女性かと思ったら、これが梅原祥平。開会式やYouTube「週刊BOATBoy」でのインタビューをご覧になった方なら、女の子かと聞きまごうほどのハイトーンボイスをお聞きになったことだろう。ほんと、女子に声かけられたかと思ってドッキチしました(笑)。その質問の裏には当然、「いいなあ、僕もやりたいなあ」の思いがあったはず。残り3日、なんとか強豪たちを打ち破る大金星をあげたいですね。

 その7Rでは、山田哲也が6着。なんと、ここまでまさかのオール6着……。当然、顔色を失うヤマテツである。それを慰めるのは飯山泰。飯山はやはり大敗続くの倉持莉々に言葉をかけている姿もあって、ほんと優しいんです、信州人は! 明日は何としても、この状況にピリオドを打ちたい山田である。千葉県代表としての意地を見せてください!

 9Rでは中澤和志がまくって、インの茅原悠紀を撃破した。会心の一撃に、中澤よりも出迎えた埼玉支部勢のテンションが上がっていた。破った相手が相手だから、そりゃあ意気上がるというもの。もちろん中澤自身もヘルメットの奥の目を細めている。

 まくられた茅原はというと、中澤に声をかけられて「ハハハハ」と笑った。中澤が笑わせるようなことを言ったんでしょうね。そのままにこやかにカポック脱ぎ場まで中澤と歩を進めつつ、その出入り口手前でヘルメットを脱ぐと、このレース2号艇の鹿島敏弘と目を合わせて肩をすくめるのだった。鹿島とは99期の同期生。心安い相手に「やられちゃった」とばかりに、軽い落胆を示したというわけだ。

 そのすぐ後ろでは、片岡雅裕と渡辺崇も笑顔を交わしているのだった。なるほど、9Rは1号艇&2号艇、5号艇&6号艇、内枠と外枠に同期同士が並んでいたのですね。片岡と渡辺は101期生だ。おそらく養成所でも、模擬レースの後などにこうして笑い合っていたんだろうなあ、などと想像してちょっと楽しくなりました。残念ながら鹿島も渡辺もSGへの出場はないわけだが、GⅡの舞台で剣を交えることができるというのは、ちょっとした感慨があるものだろう。

 同期と言えば、8Rは長田頼宗-馬場貴也の93期ワンツー! 長田が逃げて、馬場が5コースからまくり差しで追走し、完成したものだ。馬場のさすがの旋回力というのか、同期が前を走っていたから絶対に抜いてやろうとしたのか、両者の差はなかなか広がらず。長田としては「馬場うざい!」って感じだったのだろうか(笑)。ピットに戻ると、長田は苦笑いを浮かべつつ馬場の胸のあたりを3回ほど力強く押し込むという。馬場はといえば、ニヤニヤ。仲のいい同期生がじゃれ合っていたという次第であります(笑)。仲良きことは美しきかな!

 そうそう、8Rでは今井美亜が転覆。それでも身体は無事で、レスキューからも自力で降りていたし、着替えを終えるとすぐにボートの引き上げや転覆整備に元気にあらわれている。苦戦気味のなかで、さらに転覆はいろんな意味で激痛だっただろうが、明日も出走表に載ったのだから、スカッと勝って鬱憤を晴らしたいところ(2R1号艇!)。

 一方、石野貴之が右肩捻挫により途中帰郷となってしまった。今垣光太郎、磯部誠、高橋直哉に続くリタイアということで残念無念。1週おいてオーシャンカップという真夏の過密日程だけに、しっかりと傷を癒して児島で会いましょう。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)