BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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福岡メモリアル『前検を斬る!』

 福岡メモリアルの前検業務が終わりました。スタート練習時の福岡水面は前後半とも風速2m前後の穏やかなホーム追い風。前検タイムを信用していいレベルの風でしたね。福岡はダッシュの助走距離が極端に短く「全レースオールスローかよ?」ってな特殊な形状で、いわゆるダッシュ勢のスリット足が目測しにくい水面なんですが、私なりにバカに良く見えた順に列挙しておきます。

Sランク(抜群レベル)

★桑原 悠=61号機

 三島敬一郎のイチ推しまんま、実に軽快なスタート練習。特に一本目、2コースの起こし~出足~スリット足までスーーーーーーーーと音もなく加速していく見え方は、むしろ不気味な喧騒を感じさせた。3本目に再度2コースから行ったときも同じ印象。一本だけ4カドから行ったときは逆に物足りないくらいに思えたから、今日の61号機は手前の方が超抜だったかも。モーター抽選記事でも書いたが、4月前半の西橋奈未の伸び足があまりにケタチで、『BOATBoy』6月号でも全国伸び―るランキングの第5位に抜擢した61号機。前節の岩崎正哉もしっかり伸びていたけど、現状は「極めて質の高いバランス型」と考えた方が良さそうだ。まぁ、それもこれも桑ユーの明日からの方針次第ではあるが。

Aランク(上位候補)

★寺田 祥=75号機

 2連対率30%とは思えないスリット足! そう確信したのは、たかだか前節の森晋太郎を見てからなのだが、今日の寺ショーのスリット近辺でも不気味なオーラをひしと感じた。特に一本目、6コース単騎ガマシからズーーーン!! その後の特訓は1コース・2コースと深めの進入だったが、それでもスリットを過ぎてから非凡な加速度を感じた。伸びだけで戦う乗り手ではないから実戦で一変する可能性もあるが、センター枠あたりではパワフルに自力で攻めてくれると信じたい。えっと、明日の寺ショーは【8R1号艇】……うむむ。

★深谷知博=66号機

 まだ上位かどうか断定できないが、ドリーム班のなかでいちばん余裕がある足色。一本目は早起こしから他艇を見回してアジャスト⇒それでもスリット近辺から軽快に出て行く見え方だった。これくらい出足系統がしっかりいれば、ドリーム戦2号艇にうってつけのパワーと言えるだろう。三島七席の裏付けもあり。勝ちきれるかどうかはともかく、ドリーム戦ではしっかり舟券に絡めたい足色だった。

★大池佑来=48号機

 これも三島の第二席に恥じない特訓内容。ダッシュ5コースでもスロー2コースでも起こしから両隣をスーッと出し抜く見え方で、そのまま軽快にスリットを通過。隣り合わせの記者さんと「余裕ありますねぇ」と声を揃えて感心してしまった。正直、桑原61号に並ぶSでも不思議じゃない足色だったが、三島ワンツーがまんまS×2じゃあまりになんなんで、とりあえず4番手あたりに置いときま~す(笑)。

★菊地孝平=28号機

 一本目インコース⇒二本目6コースという極端な特訓でも、スリットからじわり出て行くオールマイティな軽快さ。そして3本目に4カドからしっかりスタートを合わせて踏み込めば、両隣をズンッと突き放すパンチ力を発揮した。三島第五席の短評「回転がしっかり合えば」という特定条件を前検から満たしていたかも。ならば自力のスタート攻勢を仕掛ける男、初日からS一撃を警戒しておきたい。ちなみに菊地のシリーズ緒戦は【5R4号艇】だ。

★毒島 誠=51号機

 ここだけ機力と無縁なのだが、特訓で気になる点があったので報告しておく。第5班の5号艇だった毒島の選んだコース&起こしが……
一本目=123⑤/46(ターンマーク起こし)
二本目=6⑤4/321(90m前後起こし)
三本目=⑤342/61(ひとりだけ深い80m起こし!!)
 こ、これってもしかして「今節は進入から攻めまくる」という意思表示かも?? 明日のブス君【2R3号艇・11R6号艇】では、後半11Rのスタート展示から注目していただきたい。

 他では松井繁、井口佳典の行き足、稲田浩二、大峯豊の伸び足あたりもゴキゲンでしたかね。前検タイムです。

前検時計TOP10
①松井 繁   6.86
②大峯 豊   6.89
③原田幸哉   6.90
 柳沢 一
 桑原 悠
 佐藤 翼
⑦菊地孝平   6.91
 石野貴之
 深谷知博
⑩瓜生正義   6.92
 山口 剛
 岡崎恭裕
 高田ひかる

 指定席の高田は叩き途上で?10位止まり。代わってトップを奪ったのは、なんとなんとの王者・松井でありました! いやぁ、最後にちょこっと申し訳程度に「松井の行き足」なんて付け加えたけど、実はあっと驚く超抜の鬼足かもかも?? 明日の王者は【5R3号艇】で外隣の菊地と自力攻め決戦になりそうだぞ!

前検ワースト5
①篠崎仁志 7.06
②田村隆信 7.05
③赤岩善生 7.03
④稲田浩二 7.02
⑤石渡鉄兵 7.01

 おっと、三島十傑から稲田、石渡が入線。稲田はここの常連だけど、スリット前後からこっそりしっかり出て行くムードがあり、心配はないと思います。石渡は特訓から目立たず、現状はやや厳しめかも?(photos/シギー中尾、text/畠山)