BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――プレート

 2連対率上位のモーターの、ナンバープレートを色付きにする。そうしたレース場はよくあるが、今日の福岡ピットで見た範囲では、61号機のプレートのみが赤地! 三島敬一郎も唯一Sランクを授けた61号機、やっぱり注目の的、ということなのか!
 これを引いたのは桑原悠。あまり福岡のモーター事情に詳しくはなく、「これそんなにいいんですか? 緊張しちゃうなあ」とポツリ。抽選前にパンフレットを見て、48号機を引きたいと漠然と思っていたところ、61号機を引いてどよめきが起こり、どうやら注目機を引いたのだと知ったようだ。ちなみに、桑原の抽選順は52番目。そう、最後まで61号機は出なかったのだ。文字通りの残りものに福、ということで、まずはツキを味方に引き入れたようだぞ。

 61号機以外に、地は他と同じく白だが、文字が赤いナンバープレートも発見。これも福岡の推しモーターか……と思ったら、守屋美穂のモーターなのだった。守屋の19号機は三島のチョイスには入っておらず、でも福岡が認める好機なのか……とあたりを眺めていると、22号機と30号機も赤文字!

 察しのいい方はなるほどとうなずいただろうか。22号機は遠藤エミ、30号機は高田ひかる。女子選手のモーターのナンバープレートにも色がついているわけだ。当然、彼女たちがどのモーターを引くのかは抽選するまでわからないわけで、福岡ではすべてのモーターのナンバープレートを2種類ずつ用意して、抽選が終わったら彼女たちの分だけ速攻で取り替えた、ってことでしょうかね。なかなか芸が細かいのであります。女子選手が走っているのは遠くからでもわかりやすいので、女子ファンはぜひぜひ福岡本場へ!

 今節、登番が最も若いのは羽野直也。オーシャンカップでSGウィナーになりたての、まさに旬男だ。ただ、SG獲ろうが獲るまいが、新兵であることには変わりがない。というわけで、今日のピットで最も忙しそうだったのは羽野で決定! ドリーム登場ということで、前検は1班。タイム測定とスタート練習をいちばん早く終えた一人、ということもあって、その後はとにかく新兵仕事に走り回った。

「福岡って、いちばん仕事が多いんですよ」と羽野。そのひとつの理由が、艇番が左側専用と右側専用にきっちり分けられていることだ。写真を見ていただけばおわかりの通り、福岡の艇番は正方形ではない。当然、右につけるものと左につけるものに分かれるというわけ。明日からならばレース、今日ならば前検航法を終えたあと、外された艇番はボートリフト付近の箱に入れられる。これをまとめて置き場に運ぶのは新兵の仕事で、1班で前検を終えた羽野はその後のこの仕事を一手に引き受けた。艇番が正方形の場なら、数字ごとにまとめて置けばおしまいだが、福岡の場合は右の1番、左の1番と分けて置かなければならないので、時間が倍はかかるということになる。というわけで、羽野きゅん大忙しの前検! 暑いなか、ご苦労様です!

 さてさて、三島がBOATBoy9月号では高く評価しているのに、今回の10基には入れなかった63号機。引いたのはなんと、ドリーム戦1号艇の馬場貴也である。もともと数字も高いモーターだが、馬場が会見で語ったのは「好きな感じじゃない」だった。やはり下降気味のモーターということだろう。馬場のトーンもあまり高くはなく、いいモーターを引いたのだという雰囲気は少しもなかった。ただ、馬場はオーシャンカップでも、特に序盤はそれほど強気なコメントは出しておらず、それでも予選6戦5勝と爆走している。今回も馬場の手にかかれば、63号機がかつての輝きを取り戻す可能性もあるだろう。まずはドリーム戦、どんな動きを見せるのか、おおいに注目してみたい。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)