BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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芦屋オールスター『前検を斬る!』

 芦屋オールスターの前検業務が終わりました。今日の芦屋水面は風速1~2m程度の穏やかなホーム追い風。前半も後半も似たような環境だったので、前検タイムはそれなりに信頼できると思います。そんな中、バカに良く見えた人機とバカに悪く見えた人機が、同班で隣り合わせました。まずはそこから入りましょう。

★石野貴之=14号機

 第4班の2号艇でバカに良く見えたのがコレ。その真逆が1号艇の田村隆信。このふたり、特訓の3本とも隣同士で走ったのですが、最初の2本はまさにケタチ! 誇張でもなんでもなく、田村が止まってるように見えてしまった。しかも、1本目は1×2コース、2本目は5×6コース。起こしも見るべき足色も違うはずなのに、ケタチ。
 ただ、3本目だけは石野14号機がほんの少しだけ起こし遅れると、田村も含めた両隣に置き去りにされた。前節の江口晃生(節間11121111②の鬼足だった)からどこまで手を加えたかは不明も、とにかく1、2本目の彼我のインパクトは強烈でした。さてさて、これは「石野が凄いのか、田村が悪すぎるのか、その両方なのか」?? 私の直感では、その両方だった気がするのですが、どうでしょうね。現状は石野をA+、田村をCあたりにしておきます。

 ここから良く見えた順番に列挙しましょう。

★菅 章哉=43号機

 はい、これはモーター云々とは無縁の「菅スタイル」。おそらくチルトを跳ねての特訓で、例によってスリットから伸びる伸びる! んなん、伸びるのが当たり前なんだから特筆する必要があるか、と叱られそうですが、今日はちょっと違うのですよ。1本目2コース、2本目6コース、3本目4カドともに、起こしからいつになくスムーズに出て行った。そして伸びた。なんか、今日は出足系統から不気味に強めな見え方だったのです! その見立てが正しいとするなら、これはもう欠点のない超抜エンジンじゃないですか。とりあえず私自身は我が目を信じて【出A・直S】と鑑定しておきます。

★瓜生正義=22号機

 ここで三島敬一郎の十傑パワーが登場。第3班には第一席・原田幸哉2号機×第二席・瓜生正義22号機が隣り合わせていて、スタート特訓の行き足に関しては瓜生が3本ともに優勢な見え方。とは言え、三島が惚れ込んでいる2号機は「グリップ感と出口の抜け感」なので、スタート練習では見極めにくい。そのあたりは明日の試運転~実戦でしっかりチェックしたいと思います。瓜生の方はスリットから自力で攻めたてられる雰囲気がありAランク。

★平山智加=64号機

 今日の「良く見えたもんはしょーがないで賞」はコレ! 最近の智加ちゃんは重ったるく見えることが多いのに、今日は別次元。スロー3コースでもダッシュ5コースでも出足は軽快、さらにスリット前後から力強く伸びて行く。思わず「注!!!」と殴り書きしてしまいました。で、特訓後にこの64号機(35%)の素性をチェックしたらば、実は展示タイムの平均順位が【1・5】で全体の2位なのですな。もしかしたら、伸びフェチにとって絶好の秘宝なのかも? 明日の【2R4号艇・10R5号艇】は迷わず舟券に絡めます♪

★毒島 誠=65号機

 79%の数字ほど突出してたわけじゃないけど、さすが三島の第七席。ドリーム組でいちばん安定した足色に見えました。特に一本目、実戦想定の3コースからの出足~行き足がすんなり軽快だったので、本番でも先制攻撃を仕掛ける可能性はかなり高いっすね。一撃で突き抜けるかどうかはともかく、しっかり舟券に絡んでくる見え方でした。もちろん、明日の乗り手は納得がゆくまで叩き換える選手ではあるけれど。

★濱野谷憲吾=60号機

 SG前検でちょいちょい発生する「憲吾よく見え~る現象」。今日も出足~行き足がバカに良く見えちゃいました。起こしからスッと出て行ってスリット近辺で加速感MAX。隣枠の松井繁も「よく見え~る現象」が多発する選手だけど、このスリット近辺のパンチ力は憲吾に分がありましたね。少なくとも「29%の数字よりはるかに力強い足色」とお伝えしておきます。

★上野真之介=15号機

 さてさて、伸びフェチの私が戦前から期待している15号機と23号機は、今日のところは期待ほどじゃなかった。悪くはないけど、突き抜ける感じもない。そんな見え方。特に下條23号機は、同班の智加64号機に押され気味だったなあ(今日の体重差は8キロだけど)。一方の上野15号機は第6班の中でいちばん力強い足色。期待したほど伸びなかったのは前節の「中岡仕様」だと思うので、明日はもう一丁パンチ力が付くかも? 1Rの特訓からスタ展から、しっかりチェックしたいっすね。口開け4号艇という絶好のまくり場なんですから!

 他では三島十傑の篠崎元志&倉持莉々&山崎郡の行き足もゴキゲンに見えました。前検タイムです。

前検時計TOP10
①菅 章哉  6.72
 高田ひかる
③平山智加   6.74
④山崎 郡   6.75
⑤瓜生正義   6.76
⑥平高奈菜   6.77
 中村桃佳
⑧篠崎元志   6.79
⑨稲田浩二   6.80
 下條雄太郎
 関 浩哉

 これはもう、お約束のツートップ! ただね、私の見立てでは先述・菅の出足~行き足の方がはるかに強力で、逆に高田は起こしから置き去りにされていた(前検あるある)。どこかで出足も一変するのがひかる流とは言え、今日の見え方はケタチで菅が上でした。3位以下もほぼ順当で、ちょっと面白いのは稲田浩二の第9位。ワースト級が多い選手だけに、今節は早い段階からイナダッシュが炸裂するかも??

前検ワースト5
①秋山直之 6.94
②守田俊介 6.90
 西山貴浩
 山田康二
⑤池田浩二 6.89

 うーーん、上位(下位?)のほとんどが当欄の常連ですかね(苦笑)。そんな中、いつもソコソコの時計を出す池田浩二だけは、ドリーム1号艇だけにちょいと心配な数字ではあります。特訓ではフツーに逃げきって不思議じゃない足色でしたけど、ね。(photos/シギー中尾、text/畠山)