黒船軍団vs生え抜き軍団
今日のＧＰシリーズは10戦イン6勝。荒れたり堅かったりの中で、ちょいと意外だったのが「トライアル組の不振」かも。１Ｒから各レースに振り分けられた前半戦の成績を振り返ってみよう。
１Ｒ③山口 剛＝初日の転覆に続き、今度はフライング……不振というより自業自得のポカなのだが、踏んだり蹴ったりのＧＰになってしまった。ここ３年のＧＰ（シリーズ含む）で４度も事故ってしまったツヨポン。来年以降のトラウマにならなければいいのだが。
２Ｒ①土屋智則＝③田中信一郎の一撃まくりを浴びて４着惨敗。トライアルでもっとも劣勢だった足色×Ｆ持ち気落ちでスタート凹みがまんま表出した１マークではあった。うーーん苦しい！
３Ｒ②羽野直也＝２コースから逃げる魚谷智之を追撃して２着。道中で捌く足色にさほど余裕は感じなかったが、トライアル組としてギリ及第点の立ち回りだったか。
４Ｒ①菊地孝平＝節イチのサプライズが610倍という配当に直結。インからコンマ18と無難なスタートを切ったところ、４カドからコンマ10全速で襲い掛かった枝尾賢に一撃でまくられた。菊地をしてＧＰギリ敗退の敗退がスリットに反映されたのか。パワー的に伸び返しの勢いもあまり感じられず、早い時間＆寒波での調整が合わなかった可能性もありそうだ。
５Ｒ①深谷知博＝５人目にしてインから初白星を挙げたが、③吉田拡郎のまくり差しを浴びても不思議じゃないほど重い動き。拡郎にもうひとパワーあれば、ズッボリ差し抜かれたと思う。レース後のインタビューで何度も首を捻っており、深谷自身も納得にはほど遠いイン逃げだったようだ。
６Ｒ①毒島誠＝ここもイン逃げを決めたが、レース後に「今日は合っていなかった。初日がいちばん良かった」とやや渋い表情。それでも、今日の元トライアル組の中ではいちばん歯切れのいいレースっぷりだった。
以上、全６選手が好枠に配置されて【インから４戦２勝、２コース２着、３コースからフライング】はやや拍子抜けの成績と言えるだろう。得点的には多大なアドバンテージ（貯蓄）のある元トライアル組だが、今日の実戦を見る限りは「戦国シリーズ」になりそうな気配だ。
一方、“黒船チーム”を迎撃するシリーズ戦の生え抜き組では、パワー・リズム・スピードともに充実感みなぎる関浩哉、名人の貫禄ぷんぷん井口佳典、来年の地元クラシック権利奪取に燃える佐藤翼、シリーズ戦ながらＳＧの捲土重来を狙う王者・松井繁、抜群のレース足とともに不気味にポイントを稼いでいる守屋美穂……錚々たるメンバーだと思うのだが、最後に笑うのはどっちなのか。そのあたりの攻防も密かな愉しみとしておこう。（photos/シギ―中尾、text/畠山）
