BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――動きが早い

 準優組がボートを下ろすタイミングが、普段のSG準優より早い。そんな印象の朝である。なにしろ、徳増秀樹が早々に着水して試運転を行なっている。これが毒島誠あたりなら、いつも通りの光景なのだが。今節はセット交換ラッシュもあってか、図抜けて出ている選手というのは見当たらず、予選トップの徳増にしても気配はいいが突出しているというわけではない。トップ通過だからといって安閑としているわけにはいかないのか。

 1R後に陸にある準優組のボートを数えてみたら、8艇だった。過半数が水面にあったのだ。徳増以外の1号艇=土屋智則と宮地元輝はまだ着水しておらず、3R終了後まで動きはなかった。

 それにしても半分以上の準優組が水面に出ているというのは、やはり早いペースというしかない。王者・松井繁もその一人で、昨日より気温が上がったこともあって、早くも汗だくで試運転を繰り返していた。

 そう、今日は昨日の雨から天候が変わった。それもまた、早めの動き出し傾向の要因のひとつかもしれない。やはり水面に出ていた一人、平本真之がピット内の寒暖計をチェックしていた。その数値をメモして、何かを探すようにあたりを見回す。平本が視線を止めたのは、ピット内に掲げられた時計。気温、湿度、気圧、さらに時刻を記して、その推移を調整の参考にしているものと思われる。平本が去ったあとに寒暖計を見てみたら、湿度は昨日の約95%から80%に下落。気圧と気温は逆に上がっている。晴れたのだから当然か。それが機力に影響し、調整の指標ともなっていくわけだ。

 2R発売中、毒島誠が試運転からボートを陸に上げた。そしてモーターを外して、整備室に持ち込んだ。整備か。毒島は初日にセット交換。その後は部品交換を行なっていないが、準優前にもう一発、勝負をかけてきたか。整備の様子をちらりと見たら、キャリアボデーを見つめていたので、交換はこれかも。3R発売中には整備を終えて、また水面に降りる準備をしている。

 陸にボートがあった一人だが、長田頼宗が2R発売中に本体を外している。台車に本体部分だけを乗せて整備室へ。2R発売中の間に再度装着しているので、それほど大きな整備ではなかった可能性が高い。クランクシャフトの高さ調整とかか? ちなみに、その隣では吉川元浩も整備をしていた。準優進出は果たせなかったが、残り2日、地元の意地を見せる決意である。

 ところで、昨日のコメントでセット交換をほのめかしていた池田浩二だが、今朝早々に行なったのか、整備の様子は見られなかった。1R時点でもうモーターが装着されていたのだ。あるいはこれからか? 3R終了後までは特に大きな動きは見せていないが、午後に入れば試運転などを盛んに行なうことになるだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)