BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津・甲子園TOPICS 3日目

殲滅。

 昨日の当欄で『大雪注意報』などと煽ったが、道産子の私が愛でている「チーム雪国=定義は東北・北陸のA1級以外の選手たち」は暗澹たる成績に終わった。惨劇の系譜を記しておこう。
▼1R③青森・鹿島敏弘=3コースから豪快に握って攻めたが悲しいほどのパワー劣勢、南の辺境レーサー前川守嗣にも軽々と抜かれて5着大敗。
▼2R①宮城・佐竹友樹&⑤山形・多田有佑=絶好枠での奮闘が期待された佐竹は、インからちょい差されつつもバック勝負形。が、2マーク全速ターンの押しが足りず、ズルズル後退で4着。多田は5コースから見せ場なく5着大敗。

▼3R③北海道・孫崎百世&④秋田・高橋直哉=道産子孫崎は3コース桑原の絞めまくりに連動してバック3番手をキープ!! そこから西島義則や佐藤翼と切った張ったの死闘の末に4着ゴール。「チーム雪国」として、前半戦でもっとも手に汗握る健闘ではあった。高橋は見せ場なく6着大敗。
▼6R②宮城・佐竹=中田竜太にまくられ田村隆信に差され、ボッコボコに叩きのめされて6着惨敗。

▼7R②新潟・金子和之&④山形・多田&⑥北海道・孫崎=なんと「チーム雪国」の3人が偶数枠に集結! しかも今シリーズの雪国の星・金子が好枠とあって大いに期待したが、結果は見せ場ひとつない①③⑤奇数決着……3人は舟券に絡むことすらできなかった。
▼8R⑤青森・鹿島=まったく見せ場のない6着惨敗。
▼10R②秋田・高橋=ピット離れから馬場貴也に叩かれ3コース~さらに4カドから絞め込んだ豊田健士郎にも叩かれズブズブの6着完敗。
▼12R⑤新潟・金子=5コースから覗いたが1マーク攻めきれずに4着惜敗。

 以上、レースごとの着順を並べると【5着】【4着・5着】【4着・6着】【6着】【4着・5着・6着】【6着】【6着】【4着】……6人12走で、一度として舟券に絡むことができなかった(号泣)。
 連日、這い回っている選手たちにスポットを当てて申し訳ないが、勝負駆けデーの明日からは「チーム雪国」について触れたくても触れられない状況になるだろう(金子和之だけヒーローチャンスあり?)。
 うん、こうした「試合に出れば大敗」という現実は、何十年か前の甲子園のそれによく似ているのだな。北海道、東北のチームは1回戦の抽選から“安全牌”として軽視され、実際の試合でも強豪校にボコボコにされた。優勝なんて夢のまた夢だった。
 それが、駒大苫小牧がマー君とともに夏の2連覇を遂げたあたりから強豪マップは激変、東北地区も金足農業、仙台育英、花巻東、青森山田などがどんどん勝ち上がり、今では雪国チームを軽視する敵はほとんど存在しないだろう。

 現在のボートレースの隆盛地と辺境地の格差は、高校野球の比ではない。私が北海道にいた高校時代は、ボートレースの存在すら知らなかった。東京に住んでしばらくして道産子レーサーとして孤軍奮闘している熊谷直樹の存在を知り、三浦敬太・裕貴兄弟や孫崎のデビューを見守り、そうこうしているうちに北海道出身の現役レーサーは8人!! 道産子だけで1レースが組めるほどになった。もちろん、こんな布陣で大阪や福岡に太刀打ちできるとは思っていないが、何年後か何十年後か、コッチの深紅の優勝旗も津軽海峡を渡る日が来ると信じて、これからも「チーム雪国」をエコ贔屓し続けるつもりだ。

独断パワー評価

 3日間の熱闘パワー甲子園をつらつら眺めて、私が勝手に「中堅上位より上」と評価している人機をアップしておきます。

★遠藤エミ S-【出S・直A+】三島十傑の二席・13号機はやはりゴルゴ級だった! 全部の足が強烈な節イチ候補。
★豊田健士郎 A+【出A・直S】スリットのパンチ力が半端なく、いつでもS一撃の百裂拳が可能なストレート足。大谷翔平級のスラッガーだ。
★佐藤 翼 A+【出A・直A+】インで叩かれ大敗モードから3着まで追い上げ。現状、センター戦でこそ映えるパンチ力ではある。
★深谷知博 A【出A・行A】6コースから特筆するほどの追撃足なく【A+】からダウン。巻き返しに期待。

★下出卓矢 A【出B+・直A+?】三島一席は今日までチルトを跳ねずにバランス重視も、6号艇の明日は「チルト跳ねて6コースからまくります!」と強気宣言。もちろん、理想の伸びがくれば【直S】と修正するつもり。
★毒島 誠 A【出A・直A】前検から余裕があり全体に強め。2度目の優勝が可能なパワーだ。
★金子和之 A【出A・行A】自慢の行き足を生かしきれず4・4着で成績ダウン。勝負駆けの明日は4カド想定からどう攻める?
★金児隆太 A【出A・直A】インから池田(セット交換で中堅までアップか)の猛攻をブロック、安定感のあるパワー逃げだった。十分に戦える!

☆山口 剛 A-【出B+・直A】スリット近辺が力強く、競り合いでも強め。賞典除外がもったいない連勝パワー。
☆桑原 悠 A-【出B+・直A】展開の利もあったがイン翼を叩き斬った迫力は見事。
☆菊地孝平 A-【出A・直B+】常に「悪くはないが」的な見え方で、エースの評判には及ばない。
☆田村隆信 A-【出A・直B+】中田まくりに乗ってのマーク差し一閃。今節は思ったところに舳先が向く
☆磯部 誠 B+【出B・直A】今日はターン回りにロスがあり昨日の【A】からダウン。スリット近辺はいつになく力強い。
☆上條暢嵩 B+【出B+・直B+】特筆すべき点はないが全体に強めのバランス型。

☆白井英治 B+【出B・行A】まだターン回りは頼りなさげも、強めの行き足フル稼働で連勝はさすがの一語。これで手前がくれば文句なしのV候補。
☆長田頼宗 B+【出A・直B】今日は追い上げ利かず仕上がり一息か。調整が合えばAまであるはずだが。
☆吉田拡郎 B+【出B・直A】スタ展も本番も6コースからグイ伸び、不気味なストレート足だ。
☆片岡雅裕 B+【出A・直B】目立たないがしっかりロスなく回れるターン足。乗り手にぴったりフィットで連覇可能な足。
☆池永 太 B+【出B・直A】本人も納得のストレート足、平凡なターン回りに活を入れたいところ。

 昨日の当欄で「翼・深谷・健士郎がトップ3」などと宣言したが、今日の9Rのバック直線~2マークを見て遠藤エミ13号機をトップ足とした。三島十傑の二席はさすがのハイパワーで、まさに明日からも「迷ったらゴルゴ13号」と肝に銘じるべきだろう。ただ、スリット近辺のパンチ力では地元の健士郎がトップかも? 明日の7R2号艇(⑥が松井繁)と11R5号艇はスタート一撃の百裂拳を警戒しておきたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)