BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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新鮮な絡み!の3日目後半ピット

 SGやPGⅠでも同期生の絡みというのはよく目につくものだが、甲子園はメンバーがそれらとは少し違っているので、なかなか新鮮な同期同士の行動が見られるわけである。たとえば、木場悠介と孫崎百世。119期生同士だ。119期でこれまで見かけたのは、女子戦の西橋奈未、土屋南、實森美祐。あるいはヤングダービーやレディースvsルーキーズでの井上忠政と中村魁生。だから木場と孫崎の絡みはひときわフレッシュなのである。

 両者の絡みは係留所で、あるいは整備室で頻繁に見かけている。メンバーは超豪華で、同支部の選手も多くはない。まあ、木場の場合は桑原悠、孫崎の場合は馬場貴也や遠藤エミという頼れる先輩はいるけれども、やはり心安く、精神的な拠り所になるのは同期のほうだろう。お互いなかなか結果には結びつかないが、だからこそ励まし合い、情報を交換し合い、ということになるわけだ。

 上條暢嵩と金子和之の110期同士というのも、甲子園ならでは。年は7つも離れているのだが、養成所で1年間同じ釜の飯を食った間柄、ということに揺るぎはない。今節は埼玉支部も多いし、大阪支部も強い先輩がいる。だからベッタリという感じはない二人だが、すれ違ったときなどに声を掛け合う場面には、信頼関係がうかがえる。

 99期では、茅原悠紀と下出拓矢の絡みをよく見かけている。レーススタイルはまったく違う二人だが、お互い敬服している部分があるのだろう。というか、けっこう前になるが、茅原が「下出のチルトでは自分は絶対に乗れない」と言っていたのを聞いたことがある。その個性を茅原が認めている証しだ。今日は装着場でやけに楽しそうに談笑していた。仕事の話ではなかった可能性もあると見た(笑)。そういえば、小林泰と鹿島敏弘も同期。鹿島と茅原の絡みは前検日に見ているが、小林との絡みは見ていないな。小林は今節、整備で大忙しだったから、そういう場面もあまりなかったのかも。

 同期だけでなく、甲子園ならではの先輩後輩の絡み、というものもある。たとえば太田和美と立具敬司。昨日、立具が池田浩二に競り勝って2着になったとき、太田が大喜びしていたという。その場面を僕は見ていないのだが、今日は二人が実に楽しそうに話し込んでいるのを見たのである。大阪支部のなかでも、奈良出身と和歌山出身という“辺境地”同士。太田も立具を気にかけているところがあるのだろうか。

 立具といえば、和歌山代表の常連選手。第1回大会当初は唯一の和歌山出身、現在は4人に増えた同県出身レーサーだが、立具以外はB2級、ということで、しばらく立具一択時代は続きそうである。第1回大会のとき、居場所がなさそうにピットの片隅でたたずんでいる立具がいた。声をかけたら、やはり委縮していると言い、同時開催していたルーキーシリーズに思いを馳せて「あいつら、いいなあ」なんて言ったりもしていたのである。あれから5年、懸命に試運転を繰り返す姿や、太田と親しく話している様子を見ると、確実に経験を積んできたんだなあ、と感慨深くもなる。116期の養成所成績首席だったのだからポテンシャルは高いはずで、今後の甲子園でその覚醒を見せてもらいたいものである。

 片岡雅裕と竹田和哉の絡みというのも初見のはず。片岡とはSGで会いまくっているが、竹田と出会うのはまずヤングダービー。二人の同時斡旋に居合わせるのはたぶん初めてのはずだ。ヤングダービーで見る竹田はややピリピリしているような記憶もあるのだが、片岡と会話を交わしているときなど実に楽しそうな笑顔を見せることも。それがまた新鮮だったりする。竹田にも早いところSGに出てきてほしいなあ。

 で、出身レーサー単独コンビ、多田有佑と高橋直哉も先輩後輩なんですよね。多田が90期で高橋が93期。これまでの甲子園では多田と石野貴之の同期絡みをよく見たものだ。高橋と馬場はあまり見ないな……。多田と高橋の絡みというのも頻繁に見かけるもので、なんとなく同期生のような感覚があった。なぜかと考えたら、なんと高橋のほうが年上なんですね。ようするに多田が若く見えるのであって、年齢的にはそれも当たり前なのだった(1歳違いだけど)。どうしたって苦戦を強いられる甲子園だけど、二人がいなければこの大会は意義を欠くのである! あと3日、少しでもいいところが見られますように!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)