BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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優勝戦 私的回顧

ワンサイド・ゲームセット
ONESIDE GAMESET

12R優勝戦
①毒島 誠(群馬) 04!!
②白井英治(山口)    07
③豊田健士郎(三重)11
④上條暢嵩(大阪)   15
⑤池永 太(宮崎)   15
⑥重成一人(香川)   13

 群馬代表の絶対エースにしてBR甲子園の最強豪レーサー毒島が勝った。インコースへ160キロ台の剛速球を投げ込み、白井ら強敵のバットはすべて空を切った。まだ6回と歴史の浅い大会で2度目の優勝。甲子園つながりでいうと、春の選抜で健大高崎が紫紺の優勝旗を、夏のボートレースで毒島が深紅の優勝旗を群馬にもたらしたわけだ(笑)。おめでとう、ブス君。

 それにしてもの↑とんでもスリットラインよ。今節の白井の平均タイミングはコンマ06だからドンピシャとして、まさかそれを超越するコンマ04ってあなた!!?? 健士郎の3カドを警戒しての踏み込みとは思うが、3月のクラシックを獲った男がGⅡ優勝戦でここまで行くものか……。

 私の脳内レースでは真逆に「内のふたりが慎重にコンマ11くらいで、地元で気合パンパンの3カド健士郎がコンマ05あたり」などと虫の良いスリットラインを描いていたのだが、現実は激辛すぎた。もうちょっと自分を労り、スタート事故に気をつけなさいよ、ブス君!(笑)

 2211111①着。今節の毒島は完全優勝ではないけれど、今日の決勝戦に関しては1塁をも踏ませぬ完全試合とお伝えしていいだろう。上りタイムも自身の節間レコードをコンマ1塗り替える1分48秒4!! 節間2位の太田和美、峰竜太とは1秒1の大差だから、別次元のスピードでもあった。強い、強すぎる!

 嗚呼、レースのハイライトとしては、もうこれ以上書くことがない。せめてもスリット同体で、3カド健士郎が伸びなり絞めまくったけど……みたいな展開だったら、キーボードを叩く指も進むだろう。現実は、冒頭で書いたように2コース白井の差しも3カド健士郎のまくり差しも4コース上條の二番差しも5コース池永のまくり差しも6コース重成の最内差しも、すべてバットに掠りもしない空振りに終わったのだ。

 ゲームセット。
 敗れた選手たちは、あまりのワンサイドにむしろ清々しい気持ちになったのではあるまいか。同じように、1R~12Rまですべて1号艇=インコース勝ちを見せつけられ、それに比例して財布がスッカスカになった私も清々しい気持ちに……

 って、んなワケあるかーーーい!! 今日の水面で敗れた5人はブス君へのリベンジを心に誓っただろうし、私もまた来年のびわこ甲子園での舟券リベンジを誓うのみ。たったいま捻りだした名言風のセリフを記しておこう。
――サンセットは夜明けの序章にすぎない。そして今日のゲームセットは、明日のプレイボールの序章にすぎない。byナヲキ

 ってなわけで、最後に今節の万舟について考察しておこう。

今節の万舟のパターン分類

パターンA/人気薄のA2・B1が活躍して爆上り
パターンB/人気のイン選手がぶっ飛び炎上
パターンAB/AとBの両方

B⑤長田-①下出-②秋元 15020円
A④遠藤-⑥金子-①西島 15140円
A③田村-②羽野-①向後 10370円
B③竹田-①前田-⑥佐藤翼 12940円
B③片岡-①松井-②遠藤 12460円
②向後-⑥毒島-①鹿島 19380円
A③重成-④立具-⑤池田 13120円
B③毒島-②村岡-④拡郎 13540円
B⑤磯部-④佐藤翼-⑥桑原 18250円
AB④中-②中島-⑥佐藤謙 19800円
A④毒島-③高橋-⑥吉川 36150円
B④中田-⑥菊地-①遠藤 21600円
A⑤村岡-③佐竹-⑥中 20950円
AB④金児-③西島-⑥小林 51440円
※赤字はA2またはB1レーサー

 まず、今大会の万舟フォーカスをざっと眺めると、③か④のアタマがやたらと多かった(全14本中10回)。過去の大会では①アタマのピンマンや②アタマも普通に多かったが、今節の1着はセンター枠に集中したのだな。
【SG覇者が22人⇔A2・B1レーサーが14人】という実力差が激しいこの大会にあって、「SG常連のA1レーサーがセンターから自力攻めで快勝」というパターンBが目立った印象だ。強いA級レーサーから買いたいファンは、来年もこの手のデフォルト万舟(他のSGや記念レースと同じパターンB)を狙うべきだろう。今節では14発の万舟のうち8発がパターンBに属していた。

 そして、この大会の醍醐味はなんといってもパターンAなのだ。超人気薄のB級レーサーがSGウイナーを撃破、舟券に絡んでオッズ爆上りというケース。今節で言えば4日目5R、ここまで不振続きだった高橋直哉が毒島のまくりに連動して2着に入線、3連単を361倍まで跳ね上げた。

 高橋は毎年のように同じパターンで大穴を演出しているし、今節は不発だったが多田有佑や鹿島敏弘など皆勤賞メンバーも随所にとんでも配当を叩き出している。今年のパターンAも8発(ABの重複あり)だったから、A・Bどっちのスタイルでも同じような万舟チャンスがあったわけだ。
 来年のびわこ大会がどうなるか、現時点で分かるわけもないのだが、ひとつだけ胸を張って言えることがある。自称・穴党の私は言うまでもなく、来年もパターンAだけを狙い続ける!(photos/チャーリー池上、text/畠山)