BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――セット交換はなし!

 前検航走を終えた選手は、もう今日はボートに乗ることはないから、思い思いの服に着替えてその後の調整やモーター格納の作業を行なう。今日、謎の赤いTシャツを着ている集団が登場。前面には女性の顔のイラストが描かれてあり、「Natty」と添えられている。それ、何のTシャツ?

「湯川の知り合いのおばちゃんの、歌手の、おばちゃん」
 着用者のひとり、森高一真の説明だが、イマイチよくわからん。聞き直していると、やはり同じTシャツを着ていた石野貴之がやって来て、「いや、湯川の奥さんの知り合いの歌手」と訂正した。あ、さらに訂正が。「呼び捨てにしてしもた(笑)。湯川さんの奥さんの知り合いの歌手」。それを聞いて森高が、「ああ、歌手のおばちゃん、な」。そこでおばちゃんをくっつけるからわかりにくくなるの! ざっと検索してみたら、美容サロン経営や唐揚げ店のプロデュースなどマルチに活躍されてる方らしい。森高、おばちゃんって失礼だぞ! なお、ほかに田村隆信、そして松井繁もこのTシャツを着てました。

 で、当の湯川が着ていないという(笑)。湯川といえば、久しぶりに会ったと思ったら丸坊主になっていて驚いたわけだが、それを問うと「マネさせてもろてますぅ」だって。いや、僕は丸坊主じゃなくてはげ頭。あなたのは丸坊主。そう訂正すると、「あ、それは失礼しました~」と笑って去っていった。あ、結局、丸坊主の真意を聞けなかったな。ということで、「黒須田のマネ」ということでひとつ(笑)。

 いきなりヨタ話から入ってしまいましたが、石野は本体を外して整備をしていました。本体整備といえば、尼崎グラチャンで大流行したのがセット交換。もしかして石野も……と言いたいところですが、今回はそれはございません。大村では公平性の観点から、セット交換を行なわないことに決定。またスリーブ(シリンダケース)も変形などしない限りは交換不可で、さらにキャリアボデー交換は抽選で交換する部品を決めることになった。やはり尼崎、さらには他場でも流行しているセット交換は物議を醸していたわけです。というわけで、長田頼宗も本体を外していましたが、これも別の整備ということになります。

 今日、キャリアボデー交換を行なったのは平本真之のみ。平本も本体を外していて、それだけだと石野や長田との違いがわからなかったのだが、尼崎の件もあってということか、正式にリリースがありました。もちろん、明日になって交換をする選手も出るだろうから、直前情報はやっぱりチェックしてください。

 さて、ドリーム戦組では、峰竜太が好感触だった様子。「39年、海と生きてきた男ですから」とオーシャンカップへの強い思い入れを語っていて、かなりゴキゲンだった。そのゴキゲンっぷりで、「クロちゃん、もっとシュッとしなきゃ!」とダイエット指令までしてきましたが、大きなお世話です(笑)。まあ、この猛暑のなかの取材で、今節は少しくらい痩せるかもしれません。

 で、峰のコメントを聞いた菊地孝平が「僕は地球ですから。峰とはスケールが違う。地球には海も山もありますからね」と気の利いたコメント。さすがのウィットである。ただ、今日の手応えは「ここしばらくの前検では最悪の感触」とのこと。ペラの形が自分のものとはだいぶ違うようで(菊地は「遠い」と表現)、時間が欲しいとも言っていた。ということで、会見後はペラ室にこもって徹底的な調整。明日も一日、調整に明け暮れることになりそうだ。

 あと、山口剛が「峰くんが海とともにとか言ってたけど、僕も父の知り合いが漁師で、子供のころから海に出てました」となぜか意地を這ってました(笑)。いいなあ、こういうやり取り。山口のほうは悪い感触ではなかったようで、ドリーム戦は3号艇から真剣勝負! 真の海の男決定戦!?(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)