
朝から強い向かい風が吹く5日目。1Rから安定板装着でレースが行なわれている。レース間に装着場にあらわれる選手、レース後にエンジン吊りのためやって来た選手の多くが、少し眉間にシワを寄せながら水面を見つめる。ピットから見ても明らかに波立つ水面。エンジン吊りが終わっても、その場に立ち尽くして水面に目を向ける岩崎芳美。岩崎はすでにボートを下ろしていて、やがて意を決したかのように係留所へと下りていった。その後、試運転を始めていたが、レースでなくともこの荒れ水面を走るのは大変だろう。準優の時間帯にはどうなっているかわからないとはいえ、調整のためにこの水面を走らなければならないわけだから、いつものようにさらっと出ていけない気持ちはよくわかる。

3R発売中には、深川麻奈美が自艇のそばで、やはり水面を見つめていた。試運転に出ようかどうか迷う、なんてことはもちろんありえないわけで、しかしどこか憂鬱な気分もあっただろうか。数十秒眺めると、さっとしゃがみ込んでプロペラを装着。瞬く間にボートを水面へと下ろすのだった。

今日は3回に分けて準優出場選手の公開インタビューが行なわれている。3R発売中にそのインタビューから帰ってきた平山智加が、こちらを見て笑顔で挨拶を向けてくれる。予選トップでの準優1号艇は緊張する場面、としたものだが、現時点での平山は実に柔らか。そんな平山も、この強い向かい風には顔をしかめてみせる。「なんか浜名湖らしいですよね」と苦笑いだ。そういえば、浜名湖の水面を風が駆け抜ける場面をよく見かけてきた気がしますね。もちろん、レースになったら怯んではいられない。この水面をどう乗りこなすか、それも含めて考えて過ごす一日となるだろう。


インタビューがあったからということもあるだろうが、早くからボートを下ろしていた準優組は多くはない。深川と同じタイミングで山口真喜子が、やや遅れて鎌倉涼が、序盤の時間帯にボートを下ろした選手たち。山口は昨日、レース後に試運転をして、その後に整備をしていたが、どうやら部品を換えて試運転をしたはいいものの改善が見られず、元に戻す作業だったようだ。その感触をもういちど確かめるべく、早めに下ろしたということだろう。もっとも、安定板が着き、水面も荒れて、だから、それをふまえた調整はこの先も強いられそうだ。

整備室にいたのは細川裕子。ボートごと運び込んでいたので、その前に試運転をしていた可能性はある(確認できず)。どうやらキャリアボデーを換えていたようなのだが、これが交換だったのか、いちど交換したものを元に戻したかも確認できませんでした。すみません。

また、刑部亜里紗が本体整備を行なっている。予選6位通過と上位での準優出だが、足的にはもうワンパンチ欲しいところだろうか。で、公開インタビューを3回に分けて行なわれて、刑部の出走する12R組はいちばん最後。整備中に12R組は会場に向かわねばならず、いったん手を止めて猛ダッシュで集合場所に向かう姿があった。こりゃ大変だ、と見ていたら、インタビューから帰ってきてやはりダッシュで整備室へ。さらには3Rが終わった後には新兵仕事もあるので、文字通り奔走しているのであった。その忙しさのなかで、しっかりと調整して準優に挑む。今節登番最若手の奮闘に注目!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)