宮島グラチャンの前検が終わりました。出力低減ではない旧型エンジンでのシリーズ。そのせいか、大村オールスターほどの上下差は感じませんでした。で、全体的な評価としては「前評判のいいエンジンがやっぱり強めだった」という月並みな結論に至りました。面白みの欠ける結論ですが、今節は素直に「いいモノはいい」と捻ることなく舟券予想を組み立てることにします。
SS級(節イチ候補)
★★★赤岩善生・49号機
この春に木村光宏と西島義則が完全Vを成し遂げた49号機。西島が周囲の記者に「このエンジンを引いた選手がグラチャンを獲るよ」と漏らしたそうだが、この予言を裏付けるような軽快なパワーだった。特に、起こしから行き足までの1速2速が強烈。その後の伸びも水準以上のムードで、現状では非の打ち所がない出来栄えと言えるだろう。強烈な出足を考えれば、スロー水域でアタマからガツンと勝負してみたい。
S級(抜群候補)
★★山本寛久・19号機
赤岩とどっちをSS指名するか、最後まで迷ったのがコレ。先月の女子戦では遠藤エミが「伸び節イチで、さらに回り足も強烈」という気配でV、前節の大嶋一也は「出足節イチで、さらに伸びも強烈」という気配でV……つまり、本体の底力が強いのだな。今日の寛久は大嶋譲りというか、起こしからの出足がゴキゲンだった。しかも、行き足~伸びも間違いなく上位級。SGではあまり人気にしない選手だけに、妙味充分のパワーだ。
A級(上位候補)
★平山智加・25号機
軽量という利もあっただろうが、「俊敏」という言葉がピッタリ。ターンの出口でシュッと反応し、そこからスーーーッと間断なく伸びてゆく。1マークで先頭に立ったら、男の猛者相手でも抜かれる足じゃない。そんな軽妙なスピードを感じた。周年記念を制した尼崎ほど突出してはいないが、この足なら予選突破はありえる。
★峰 竜太・63号機
起こしから出足、行き足、伸びと、どれも強めのバランス型だと思う。なんと言うか、突出した凄みは感じないけど、文句のつけようのない足という感じ。オールマイティで戦う峰に相応しいパートナーだな。このパワーを活かしきってしっかり着をまとめれば、優勝戦1号艇もありえるだろう。
★深川真二・21号機
足合わせで平石和男を突き放した伸び足が魅力。スタート練習では起こし~行き足もかなりゴキゲンで、かなりポテンシャルの高いパワーだと感じた。おそらく伸び型から出足の方にシフトするだろうが、それで全体のパワーが低下することはなさそうだ。しっかり深川向きの足にシフトできれば、ドリーム戦で大穴一発もありうるぞ。
★前本泰和・56号機
穴はここ。2連率35%足らずのエンジンだが、行き足がかなり強い。スローならスリット付近で半艇身ほど覗く感じで、しかもスタート特訓で本番さながらの全速Sをビシバシやっていた。地元の気迫満々。軽快な行き足&気合のSと来れば、艇番不問で狙っていいだろう。6号艇で万太郎狙いだ。
★山口 剛・13号機
こちらも地元の気合パンパン! スリットまでふるっ被りで突っ込み、そこから気持ちが乗り移ったように伸びていた。30%に満たない低調機なので、あるいは気合に目を奪われてパワーを過大評価している可能性はあるな。明日の実戦で正味の足をキッチリ見極めたい。
以上、現段階では7選手をピックアップしておきます。ではでは、前検タイム。
前検時計TOP10
①深川真二 6.55
②松井 繁 6.56
山本寛久
④山口 剛 6.57
⑤魚谷智之 6.58
谷村一哉
齊藤 仁
中島孝平
峰 竜太
⑩石渡鉄兵 6.59
重成一人
おっと、王者の2位はちょっと意外ですが、他の面々はそれなりに頷けますね。ちなみにSS指名の赤岩は6秒65……?? しっかり真面目に試走するタイプなだけに、この時計は期待ハズレというか、ちょいと不安にさせる数字ではあります。
前検ワースト5
①徳増秀樹 6.69
菊地孝平
③濱野谷憲吾 6.68
④馬場貴也 6.67
深谷知博
静岡勢のワンツーに続いて憲吾……江戸川周年(最終日体重51・9キロ!!)を制して勢いに乗る憲吾ですが、今日の気配は良くて中堅レベルか。ここ数日間で体重が↑↑している(前検体重54・1キロ……)のもその要因でしょうかね。もうひと踏ん張り、サウナに籠りなさーーーい!!(photos/シギー中尾、text/畠山)