BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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丸亀オーシャンTOPICS 2日目

弟の逆襲~勝手にトップ予想ランキング~

 

 今節のV戦線は、圧倒的に抜けたパワーが不在なため(あくまで現状だが)推理ゲーム的な愉しみに満ちている。予選も残り2日、「丸亀の準優、優勝戦はインコースがやたらと強い」というイメージもあり、この戦国時代からトップに躍り出た選手がもちろんVの最有力候補になる。気が早いが、予選のテッペンを獲りそうな武将たちを期待値の高い順に紹介しておこう。

 

★第1位/篠崎仁志

 

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 目下4位だけに意外に思われるかも知れないが、なんのなんの、私の中では現時点での最強武将だ。とにかく昨日のドリーム戦から乗りっぷりが実に気持ちいい。脳みそと両手が直結しているというか、自分の思い描いた通りのハンドルワークでミスらしいミスが見当たらない。

 今日の3Rも3コースから迷うことなく握ってツケマイを浴びせ、さらに必死に逃げる市川哲也を付け回って付け回って、2周1マークでついに逆転の差しハンドルをねじ込んだ。昨日のvs井口佳典に続く、血の汗が噴き出るような激闘。その2戦のすべてのターンマークで、ほぼノーミスの旋回を繰り返したのは成長の証だろう。先の鳴門グラチャンでの準Vが、悔しさも含めてこの若武者を何倍にも逞しくしたに違いない。

 

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「ターンセンスはおそらく兄の元志より上。ただ、ハートは兄さんのほうが強そうだ」

 この欄で何度も何度も書いてきたことだが、やまと学校時代から“弟”はこんなムズ痒いレッテルを貼られ続けてきた。実際、ここ一番の勝負強さは兄が際立っており、レーサーとしての出世も遅れた感がある。だがしかし、昨日今日のレースは「ハートの弱さ」など微塵も感じさせず、逆にSG常連としての余裕と貫禄さえ感じさせた。

 後半7Rは、6号艇6コースの遠さが響いて4着止まり。ただ、3着の今垣光太郎を追って追って、ゴールではハナ差まで詰め寄ったレースっぷりも見事ではあった。昨日、私は「ピンを並べずとも、着をしっかりまとめた選手がVに大きく近づく」みたいなことを書いたが、仁志の成績がそれに合致する。

①ドリーム5号艇→2着(点増し)

②3号艇→1着

③6号艇→4着

 枠番より2つ3つ上の成績を獲り続け、しかも残りの枠番は1・2・4枠! 昨日今日のレースを見ている限り、仁志が枠番より重い着順を獲ってしまうイメージは湧かない。明日は2・4号艇の試金石だが、ここをしっかり枠番以内でクリアすれば、4日目の1号艇にも弾みがつくだろう。肝心のパワー評価はB+(中堅上位)あたりだが、今節はこのレベルでも十分に優勝できると見ている。予選トップなら。

 

★第2位/辻栄蔵

 

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 昨日も主役級で取り上げたが、今日の9Rの栄蔵もゴキゲンだった。5コースから全速でぶん回してのまくり差し一撃、圧勝! 「とりあえず握ってみたら、うまい具合にぽっかり空いていた」みたいなことをインタビューで話していたが、あの初動の早さは完全に先を読んでいたと思う。つまり、「3コースの桐生順平は超早いタイミングで握るタイプだから、自分も握って追随すれば絶対に差し場が生まれる」と読み切っていた。そうとしか思えない豪快な握りっぷりだった。4コースに萩原秀人がいて、内の展開がほとんど見えなかったのに。こうした頭脳プレーもまた、忍者・栄蔵と呼ばれる所以だろう。

 とにもかくにも、昨日の6号艇1着に続いて、今日は5号艇で1着!! このポイントはメチャクチャでかい。でもって栄蔵に残された枠も、仁志と同じ1・2・4枠。パワー評価は回り足Sも込みでA+、間違いなく節イチ候補でもある。若い勢いを加味して仁志を1位にしたが、仁志との2点差を守りきってトップ当選する可能性も十分だろう。

 

★第3位/峰竜太

 

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 さすがの剛腕、としか言いようがない。パワー評価はB+あたりでも、展開を読む力とそれをターンに変換するスピードがケタチで早く速い。今日の11Rも遠藤エミのまくりにぴったり連動し、恐ろしく的確なマーク差しハンドルを突き刺している。節間3・1・1着のリズム的にももちろん有力なV候補なのだが、明日の2・3号艇に続いて4日目は6号艇。十分にクリアできる選手だとは知りつつ、残りの枠の差で3位にしておきたい。

 

★第4位/平本真之

 

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 うーーん、12R、凄かった! 足色も含め、昨日からなんだか妙に気になって仕方がなかったのだが、まさか6コースから突き抜けて超500倍をぶち開けるとは(←2・3着縛り)……忘れた頃にいきなり凄まじい破壊力を発揮するのが平本という男。しかも、予選5走予定のうち5・6号艇をすでに消化したというメリットもでかい。明日の3号艇でも大暴れすれば、予選トップへ大きく近づくことになるだろう。4月の当地京極賞から続いた「ピンなし地獄」の苦しさを、同じ丸亀の舞台で一気に清算しても不思議じゃないな。足もB+~Aあたりはあると見ている。

 

★第5位/井口佳典

 

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 昨日のドリームでは仁志以上に派手なパフォーマンスを連発し、今日は4号艇2着&1号艇1着で暫定トップ。321という尻上がりの成績といい、栄蔵に匹敵するA+級のパワー評価といい、このままトップを突っ走っても不思議じゃない。久々にSGで強い強い井口を見ているわけだが、残された枠番は256枠! まだまだ予断を許さぬハードルが待ち受けており、これをどれだけの好成績で乗り越えられるか。明日の6・5号艇が、今節のトップ争いを左右する大きな試金石になりそうだ。とりあえず、様子見の5位に。

 

★第6位/石野貴之

 

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 現在、予選ランク22位。準優圏外に甘んじている石野だが、不気味さでは文句なしのトップレベル。533着という成績だけで軽んじることなかれ。その枠番はといえばドリーム6号艇、4号艇、5号艇……すべて外枠を消化してしまったのだ! 仮に予選で枠番通りの着順だとすると7点止まり。それがドリームの点増しを含めて、しっかり18点を取りきっているのだから流石の一語。パワー的には中堅に毛が生えた程度と見立てているのだが、明日以降にしっかり引き上げて残る2・3・1号艇を突っ走れば……48点=8・00という数字も十分にありえるのである。うーーーん、W3連覇はまだまだ夢物語じゃない!

 

 他では山崎智也、原田幸哉、今垣光太郎……ももちろん怖いのだが、それぞれ枠番よりひとつでも重い着を獲っているのが気になる。こと予選トップに関しては、すべて枠番以内の成績を収めた選手の手に渡る気がするのだが、どうか。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)