BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――仲良きことは……

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 10Rが終わって、選手たちがボートリフト前に集い、6名の帰還を待っている時、安河内将が突如、自分のボートに飛び乗った。そして、高田ひかるがそれを追った。高田はボートの左側に立って、操縦席に乗った安河内を見つめる。すると、安河内はピット離れのアクション! 大きく前のめりになるアレです。その態勢のまま、高田に言葉をかける安河内。うなずく高田。これは、安河内将のピット離れ講座、であろう。

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 昨日今日と高田のピット離れは怪しく、7R1号艇では後れをとってしまった。大きく回り直してインを奪い返しはしたが、80m起こしになって大敗。バック出口では粘りも見せていただけに、しっかりバナレが来ていれば、と思わせる一戦だった。それもあって、安河内がバナレの方法を教えた、もしくは高田が教えを乞うた、そんなシーン。安河内は何度も同じアクションをとって、懇切丁寧に教えているのだった。明日、きっちりコースを獲り切ることができたら(2号艇です)、この時間がプラスに働いたということになるのかもしれない。

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 教えるといえば、上條嘉嗣の周りには近畿勢を中心にさまざまな選手が集まっている。上條兄のペラの技術に長けていると言われ、弟の暢嵩もそれを口にしていた。装着場から見てペラ室の左奥に陣取っていることが多い上條兄は、そこに相談に来る選手にアドバイスを快く送っているようだ。昨日は、そこに東京支部の荒井翔伍もいて、上條と真剣な表情で話し込んでいた。支部の垣根など関係ないということだろう。今日の12R終了後は、丸野一樹が装着場のど真ん中で上條に声をかけ、それから長めの会話が始まった。上條の表情は実に真摯で、丸野もまじめな顔でうなずいていた。今節、上條はF2での参戦で事故点も高く、昨日今日と6コースに出ている。明日からも同様かもしれない。思うようなレースができないのが残念ではある。しかし、上條は確かに存在感を放ってはいる。それが少しでもレースの結果に結びつけば、と思う。

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 もちろん、水面に出れば個々の戦い。全員が敵! 陸の上では教えを乞い、教えを授けるという絡みがあったとしても、レースになれば真剣勝負だ。西川昌希と磯部誠はしょっちゅう一緒にいる仲良しコンビ。そのふたりが今日は同じレースで、西川が前付けでインを強奪して逃げ切った。レース後に顔を合わせ、親指を立てたら西川がニッコリ。握手を交わすと、「俺の見方はクロちゃんだけや~」と磯部に握手を見せつけた。どうやら、展示を終えたあと、これで喜んでるのはクロちゃんくらいや、という話になっていたらしい。畠山も大喜びでしたよ。それに、これぞボートレースと確信するファンは少なくないはず! ともかく、進入争いも含めて二人は水面で真剣勝負を繰り広げていたということだ。仲良しでも負けた磯部は悔しいのである。結果は二人のワンツーだったわけだが……実はワタシ、3着ヌケでしたぁぁぁぁ! そしたら西川と磯部、大爆笑! チクショー! 我々の舟券も真剣勝負! 明日も頼むぞ!

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 明日の艇旗艇番を準備しに、肩を並べて艇庫に向かっていたのは西野雄貴と松山将吾の114期コンビ。しばらくして戻ってきた二人は、ガッチリ肩を抱き合ってるじゃないか。そして「黒須田さーーーーん!」と撮影を促してくる。シャッターチャンス、ありがとう! 笑顔満開の西野と松山。よく見れば西野の手つきはアロハー。あなたもチームアロハでしたか! そういや、けっこういい焼け具合ですもんね。「なんかアホみたいですね」なんて西野は言うが、いやいや、麗しき同期愛、ではありませんか! こんな二人も水面に出ればガチンコでやり合う。二人の対決があれば、その激突にぜひ注目を!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)