BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――いつもの初日

f:id:boatrace-g-report:20201124162940j:plain

 初日の序盤の時間帯というのは慌ただしいもので、なにも勝負駆けだから特別に、などということはない。水面から響くエンジン音、出入りの激しいプロペラ室、というのは初日の日常的な光景であって、ここにチャレンジカップらしさを見出そうというのはやや恣意的に過ぎるだろう。
 まあ、あえてチャレンジカップらしさを探すとするなら、男子と女子の比率であって、プロペラ調整室を覗き込めば男子と男子の間に女子、とか、女子と女子の間に男子、なんていう光景が見られるわけである。ただしそれも違和感を覚えるというものでもなく、だれもがみな真摯にプロペラと向き合っており、つまりはプロレーサーの当たり前の光景ということも言える。写真は桐生順平と遠藤エミが並びあってペラを叩いているところ。二人は時に装着場などで会話をしたりしているが、このときは特に言葉を交わす場面は見られなかった。

f:id:boatrace-g-report:20201124163009j:plain

 ペラ室にはドリーム1号艇の峰竜太も早々にこもっていて、いつもの形にしっかりと仕上げ切ろうという様子と見受けられる。昨日もすでに叩き始めてはいたが、そこからさらに煮詰めていこうという段階であろう。

f:id:boatrace-g-report:20201124163058j:plain

 ドリーム組では、吉川元浩が早々に試運転を始めていた。昨日のコメントはやや冴えないもので、前検の感触はいまひとつと見えた。たっぷりと残されている時間を無駄なく使って、底上げを狙っているということだろう。もちろん合間にはペラ室に入っており、今日は試運転とペラ室の往復をびっちりとこなすことになりそうだ。
 今回、規制線が張られている場所はもろにペラ室の至近ということで、様子を覗き込みやすいシチュエーション。ハンマー音を近くに聞きながらの取材となりそうです。

f:id:boatrace-g-report:20201124163130j:plain

 整備室は遠目に覗き込むしかないのだが、驚いたのは杉山正樹の姿があったことだ。評判機を手にして、大きな作業をする必要などないと思い込んでいたので、かなり意外であった。ただ、本体をバラしているかどうかは確認できなかった。点検程度だったということもありうる。

f:id:boatrace-g-report:20201124163200j:plain

 整備室の奥のほうではギアケース調整をしていた選手も少なくないようだった。女子では守屋美穂。ドリーム戦に向けて入念な調整を行なっていた。調整を終え、装着する際には、たまたま隣でボート周りの作業をしていた篠崎仁志と会話。101期の同期生であります。二人とも時間的な余裕がある初日だが、早くから手を緩めずに準備を進める。

f:id:boatrace-g-report:20201124163226j:plain

 1R、レディースのオープニングは大瀧明日香のイン逃げ。昨年は約8000円差で逆転されての13位だったわけだが、初日から這いまくってリズムに乗れなかったのが痛かった。今年は逃げ切りと幸先いいスタート。12位(以内)死守に向けて好発進である。

f:id:boatrace-g-report:20201124163248j:plain

 このレースでは3周2マークで接触シーンがあり、ちょうどエンジン吊りの準備に向かいかけていた選手たちから悲鳴があがってもいる。残念ながら、これで平田さやかが負傷。途中帰郷となり、たった1戦で平田のレディースチャレンジカップは終わってしまった。ピットに戻って腕を押さえる場面もあり、それを松本晶恵が心配そうに見つめていて、気がかりではあったのだが、この事態になってしまった。一刻も早く癒してもらって、年末はシリーズ連覇を目指してほしい。

f:id:boatrace-g-report:20201124163312j:plain

 2R、SGのオープニングは上野真之介が6コースから1着という大波乱。上野は現時点で20位とボーダー付近であり、だからこそ6号艇での1着はデカい! 師匠の峰竜太が穏やかな笑顔で出迎えていたが、上野にとっては師匠とともに立つグランプリの舞台がやや鮮明に見えてきたかも。勢い込んで8Rへと向かう。(黒須田)