午前10時30分、すでに整備室には12聖女が集結。
4人ずつ3列に並んで、モーターの組み立て、
点検作業を始めていた。住之江では1年に1回、目にする風景。
それを大村で、女子選手で見られるとは!
装着場のど真ん中には、12艇が枠番順に並べられて鎮座していた。大村の装着場は狭く、そういう事情もあって
まとまって置かれていたのだろうが、
しかしそれがかえって特別性をまとわせて、
装着場のなかでそこだけが光って見える。
いや、実際に光っていて、その場所は屋根の明かり取りから
柔らかい日差しが降り注ぐ場所なのだった。
さて、モーターをもっとも早く組み終わったのは日高逸子で、
さっそくプロペラのチェックを始めていた。
その間に平山智加も組み終えて、ボートへの装着はこちらが先。
モーターとともに装着場に最初に姿をあらわしたのは
平山ということになる。 それを契機に、数分おきに
聖女たちがモーター装着を始めて、装着場は聖女たちの
作業パーティ(?)の様相を呈し始める。
最後に姿をあらわしたのは横西奏恵で、
普段のSGや女子王座などでも、じっくりとモーターを点検する姿は
見かけられている。いわばルーティンだ。
今朝の公開モーター抽選でも、楽しそうに会話を交わしていた
寺田千恵、角ひとみ、横西が、リラックスした表情で談笑を始めた。
“エース機”16号機をついに引き当てられなかった面々なわけだが、
お互いの抽選運の悪さを嘆き合いつつ、
明日からの枠番抽選にも思いをはせていたようだった
。「松井(繁)さんが6、6ってことあったよね~」。
賞金王決定戦では松井の枠番抽選運がよく話題になるが、
明日からは彼女たちも同じように枠番抽選を行ない、
引き当てた枠番に一喜一憂することになる。
全員が初めての体験、ドキドキとワクワクとハラハラが
同居していることだろう。 2R後には装着作業をほぼ全員が終え、
それぞれの動きを見せ始めた。ペラ調整の準備を始める者、
いったん控室へと戻る者、動きはさまざまだった。
表情を覗き見れば、いずれも緊張感はまだ薄く、
リラックスしている様子。
シリーズ組の面々とも楽しそうに声を掛け合い、
今のところヒリヒリした雰囲気は皆無と言っていい。
3R発売中、日高逸子がボートをリフトへと運んだ。いよいよ着水!
その一番乗りはグレートマザーである。
この素早さはまさに日高らしさと言ってよく、
これを書いている今まさに、試運転で水面を駆けている。
3Rが終わると、次々に聖女たちが水面へ!
戦いのゴングはすでに鳴っている。
いよいよ、聖女たちの聖戦が始まる!
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)