BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ゲージ擦りと本体整備

 

早い段階でゲージ擦りをやっている選手はエンジン出ている。

新プロペラ制度導入以降、

勝手に法則と考えているのがコレだ。

出ているからエンジンをいじる必要がない。

プロペラも、自分のペラではなく、

しかしエンジンに合っているわけだから、

こちらも叩く必要はない。そこで、そのペラのゲージをとる。

ということではないのかと思っている。

実際、早くからゲージを作っている選手は、

成績がいいような気がする。

ちゃんと統計とったわけじゃないけど。  

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206115052j:plain

今日は、服部幸男がゲージ擦りをしているのを発見。

服部といえば、持ちペラ制時代はペラ室の主のようにして、

ひたすらペラ叩きに励む姿が普通だった。

地元浜名湖では、服部ポジションと言うべき指定席があって、

そこでは常に服部の姿が見られたものだった。

もちろん、その姿勢は新制度になっても変わらず、

鋭い視線でペラ叩き、というのが主に見られる服部幸男である。

その服部がゲージを擦っていたので、少々驚いた次第。

ここまでの好成績を見れば、やはり……なのか

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206115103j:plain

寺田祥のゲージ擦り姿も見かけた。

今日の寺田は、盟友・白井英治が登場したことで、

行動をともにすることが多かった。ペラ室を覗けば、

白井と向かい合ってペラを叩いていたりもした。

しかし、終盤の時間帯に入ると、ゲージ擦りに取り掛かった。

服部と違って、中間着が続いているのだが、

モーターには手応えがあるということか。

というところで、H記者に見立てを聞いてみたら、

「俺はいいと思ってるよ」だそうです。ふむ、なるほど。

 

本体整備はエンジン出てない証し、というのは、

別にプロペラがどうこうに関係なく、真理のひとつである。

出ているエンジンの部品を換える選手はまずいない。

成績がついてこないから、何かをしなくちゃと本体に手を付ける。

これは変わることないセオリーのひとつである。  

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206115114j:plain

平本真之は、11R出走を控え本体整備。

本体部分だけを外して整備室に持ち込んでおり、

7R頃に整備を終えて、装着した。好漢・平本は、

顔を合わせれば、機力がどうであろうと、

明るく丁寧に受け答えをしてくれる。本体を装着し、

点検しているところに近づいても、それは変わらない。

だが、もちろん心中は穏やかではない。

シャフトの取り付けを調整したとのことだが、

それがなんとか正解につながってほしい。

それが平本の思いのすべてである。  

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206115127j:plain

斎藤仁も本体整備。6着2本という

不本意すぎる成績で終わったあと、整備室にこもった。

7R前にはすでに整備を始めており、

10R終了後に覗いてもまだ同じ場所で本体と向き合っている。

初めてのSGドリーム戦を経験し、

その意地や責任感もあるなかで、まさかの大敗続き。

何とかしなくては、の思いは強いことだろう。

これまた超好漢・仁ちゃん。表情は決して暗くは見えないし、

顔を合わせれば実に丁寧に受け答えしてくれるのだが、

平本同様、焦燥感がないわけがない。 

二人ともこの整備が当たって逆襲に転じる態勢ができれば、

と応援したいぞ。

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206115137j:plain

さてさて、今日から決定戦組が合流したことは

何度も書いているわけだが、ピットを眺めていると

ちょっとした違和感を覚えたりもする。  

係留所に決定戦用カラーカウルが装着されたボートが並んでおり、

着水しているのは誰かしら、と名前を確認していると、

1号艇が3艇もあることに気づく。

なんでトライアル1号艇が3人もいるの? 

ネームプレートを確認。

池田でしょ、井口でしょ、太田でしょ……やっぱり3艇もあるぞ。

はい、おわかりのとおり、池田浩二がダウトである。

しかし、決定戦組のボートに囲まれて、

白い旗のついた「池田」というボートがあると、

つい決定戦組のほうに認識してしまう。

ペラ室を覗いても同様。池田は今節、

賞金王ジャンパーを着用しており、

その格好でペラを叩いていると普通に「池田、ペラ」と

決定戦用メモに書き込んでしまうわけである。  

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171206115151j:plain

賞金王ジャンパー着用は、岡崎恭裕も同じ。

今日は峰竜太と話し込む姿を何度か目撃しており、

それは決定戦メンバー同士の会話にしか見えない。

数秒後に、岡崎はシリーズ組じゃん、と気づいて、

そこで違和感がじんわりと脳みそに浮かんでくる、という次第。 

ようするに、決定戦とシリーズを分かつものは、

ほんのわずかな差でしかない、ということだ。

それも、1年間限定で浮かび上がった差。

シリーズ戦のピットには、決定戦にふさわしい選手は

12名以上は確実にいるわけである。

それが、ほんのちょっとしたことで決定戦とシリーズ戦という

大きな差になっているのみ。

やはりここにも猛者たちがどっさりと揃っているのである。

 

 

 

 

 

 

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)