BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――秋晴れ!

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 台風が過ぎて、平和島には心地いい風が吹いています! ピットも爽やかな空気に満ちており、どこから紛れ込んだのか、ニャンコが気持ちよさそうに昼寝してました。青山登さんは「ゴルフ行きたいな~」とか言ってるし。たしかにピットにいるだけで、癒されますな。

 とはいうものの、選手たちは忙しい時間を強いられている。中1日空いたことで、また初日とは天候も変わったことで、調整が必要になってくるのは当然。また、初日の手応えがもうひとつだった選手にとっては、昨日はもどかしさを感じたりもしたはずで、一刻も早く調整に手をつけたいと考えていた選手もいただろうと思われる。

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 印象的だったのは、池田浩二。ドリーム戦2着は決して納得のいく成績であるはずがなく(1号艇だったから)、朝から厳しい表情で試運転と調整に励んでいた。目つき、怖いくらいだったな~。ピットでの池田は意外と(?)穏やかな表情を見ることが多いのだけれど、今朝はちょっと特異に思えるほど、眉間のシワは深かった。

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 峰竜太も整備室内で神妙な表情で作業をしていて、ちょっと気になった。雰囲気的には、勝負駆けの4日目とか準優とかのもので、それを2日目から見せているということは、手応え的には……と思わされたのだ。

 

 

 

 

 

 

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 ペラ室は当然、満員御礼。競技棟のピロティ部分にある“屋外”の調整所にはあまり選手の姿を見かけなかったが、こちらでペラ叩きをしている選手たちはたまたま試運転に出ている者が多かったのではないかと思われる。事実、井口佳典が水面(係留所)から戻ってきているのを見かけているし、松井繁のボートも係留所にあった。峰竜太は先述のとおり、整備室にその姿があり、丸岡正典の場合は2R出走だからすでに展示準備に入っていたのだろう。

 空気はたしかに穏やかだが、選手たちは決して穏やかに時間を過ごしていたわけではない。仕切り直しの2日目朝は、そんなふうに流れていたわけである。

 

 

 

 

 

 

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 さてさて、左の写真、何をしているところでしょうか。鳥飼眞と瓜生正義が、バケツに何かを突っ込んでいる。何を突っ込んでいるかというと、プロペラ。このバケツには水が張られており、ペラを水につけているというわけだ。「ペラに焼きを入れる」という言葉をよく聞きますよね。「畠山に焼きを入れる」だったら恫喝してぶん殴るということになるわけだが、ペラに焼きを入れるというのは文字通りペラを熱するわけで、走っているうちにペラが開いてしまうのをこれで防ごうという“調整”であります。僕も具体的に何℃で焼くとか知らないけれど、ペラ室の片隅には小さい冷蔵庫のようなものが置いてあり、これが焼き入れ用のボックスみたいですね。で、鳥飼と瓜生は、焼きを入れたペラを水につけて冷やしたというわけ。ペンチに挟んだペラをバケツに突っ込むと、「ジュッ!」と音がして、ペラが冷やされるんですね。瓜生は一度水につけたあと、ペラを触って熱さを確かめ、再度水につけていました。選手はペラを叩くだけでなく、いろんな方法で最善を目指すというわけである。

 

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 1R、山口達也が差して1着。まったく気づいていなかったが、これがSG初1着! 2年前の平和島ダービーでは勝ってなかったんだっけ? 山口を出迎えたのは池永太で97期の同期生。97期が複数SG参戦って初めてじゃないかな。同期の目前で嬉しい初1着。さすがにヘルメットの奥の目が嬉しそうに笑っていた。水神祭の模様は後ほど!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 一方、1号艇で敗れてしまった白井英治は、納得がいかない表情。何度か首を傾げているし、歩み寄った今村豊の顔も渋い。白井が口を開くたびに今村は深刻な表情となっていき、差された原因を師弟で探っているといった雰囲気だった。白井は1R1回乗りなので、今日は時間がたっぷりと残されている。午後は調整に走る姿が見られることだろう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=ニャンコ、焼き、97期、山口師弟 TEXT/黒須田)