BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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静かな静かな抽選会

 

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 選手は正直だ。先月の福岡では「モンスター47号機」を巡って選手全員が大いに盛り上がったものだが、今日のモーター抽選はその真逆。誰ひとりとしてガラポンの数字コールに耳を貸さず、雑談したりあくびをしたり耳をほじったり煙草を吸いに行ったり……まったくモーター抽選に興味を示さない。

 

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唯一、盛り上がったのは、ガラポンの順番を決する「服部幸男VS太田和美のガチンコじゃんけん」だったな。結果はチョキ、グー、チョキのアイコ3発の後、服部チョキ・太田グーで太田の勝ち。敗戦後、服部曰く「大接戦の末の惜敗だな。いやぁ、アイツ(太田)は絶対最初にチョキを出すって思ったんだよ。わかってたんだよ。うーん、わかってたんだけどなぁ……」。しばし悔しがる服部を見て、何人かの選手が可笑しそうにクスクス笑った。マジで、選手たちがわずかでも盛り上がったのは、この時だけだったなぁ。

 

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 じゃあ、なぜこれほど選手たちが無関心なのか。答えは簡単明瞭。浜名湖のモーターは4月に下ろしてから、まだ2カ月ちょい。温水パイプを外してから1カ月半でもあり、こんな短期間でのデータが当てにできるはずもない。それに、当地の前節は女子リーグ戦でもあった。軽量の女子の整備(特にペラ調整)とSG常連の男選手のそれとはまったくの別物だそうで、おそらくほとんどの選手たちが「今節はハナから自分のスタイルに叩き変える」と決めているのだろう(私も、今節の抽選結果はほとんど参考外とし、前検の気配だけでパワー番付を決めるつもりです)。

 

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 ちなみに、この2カ月ちょいで断トツの数字を誇っているのが57号機だ。下ろしてから5節走って5優出2V、2連率75%!! 恐るべき優出マシーンなのだが、前節の鎌倉涼はじめ乗り手に恵まれた感は否めない。それを証明するように、吉田弘文がこのエース機を引き当てても、ただひとりとして反応した選手はいなかった。「57」という数字を聞いても、右から左に聞き流していた。まったくの無反応。エース機がこれほど邪険に扱われるSGも珍しい。つまり、すべての選手たちはこう考えている。

「今節は素性なんかどうでもいい。自力で仕上げきる!」

 うん、今年のグラチャンは、いつも以上に特訓や実戦でのパワーチェックが大切だと思うぞ。

 とりあえず、注目すべきモーターをいくつか紹介しておく。

 

**★浜名湖特注ツートップ??

◎57号機(76%、5節で5優出2V!)…吉田弘文

穴31号機(40%、ブッチギリの1分45秒6)…山口達也

 

★その他、2連率50%超モーター

②24号機(56%、3優出1V)…新田雄史

③30号機(51%、2優出0V)…田村隆信

④26号機(50%、1優出0V)…岡崎恭裕

(photos/シギー中尾、text/畠山)**