びわこマスターズの前検が終わりました。一言で表現するなら「しっちゃかめっちゃか!!」です。今日は全国津々浦々で北風が吹き荒れ、びわこ水面も強烈な追い風。しかも、「この時期のびわこは雪解け水の影響で水位が上がり、1マーク付近のうねりが強い」(黒須田談)という説を裏付けるように、各選手とも恐る恐る慎重に1マークを旋回しておりました。足合わせも極端に少なく、単走でそれぞれの感触を確かめるケースがほとんど。スタート特訓もスリット隊形はバラバラ……1班のスタ練が終わった瞬間、地元の記者さんが「バラバラすぎて、なんもかんもわから~ん!」と叫んでおりましたが、確かに私もなんもかんもわかりませんでした。
そんな劣悪な水面環境につき、今日の見立ては軽め&控えめにさせていただきます。もとより、確たる自信もありませんし。数少ない材料の中から、ちょっと気になった6選手をAランク(上位候補)として並べておきましょう。
A級(上位候補)
★山田豊
誰もが試運転のターン回りに苦労する中、山田だけはスムースかつスピーディに好旋回。内の島川を圧倒し、今村暢さんより強めに見えました。ただ、山田豊と言えば当地の大荒れ水面で記念を制した地元の雄。この季節のうねりを知り尽くしているからこその極上ターンだったかも?
★今村暢孝
山田豊にターンでやや劣ったものの、バック中間から一気に加速して山田を半分ほどやっつけた。おそらく伸び型で、この特性をどうするかが見物ではある。出足型にどれだけシフトするかで、レースに与える影響もそれなりに大きく変えるだろう。気配に要注意。
★野長瀬正孝
期待していた66号機だけにハナから注目して見ていたのだが、感想は「及第点、十分に戦える足」。スタート特訓の1本目はダッシュの5コースからわずかに覗いた程度。2本目で3コースのスローから行ったとき、「ハッ」とさせる行き足を披露した。突き抜けるほどではないが、半分近く覗いて伸び足も上々という感じ。少なくとも、しっかり着をまとめて予選を突破してくれそうなムードだ。
★熊谷直樹
特筆するほどでもないかもしれないが、スリットから1/4ほど出ていく感じがあった。ほとんどの班の評価が「わからない」か「ほぼ同じ」だっただけに、このわずかな行き足が目に留まった。過信は禁物も選手が選手だけに、伸びなり一撃は常に注意したい。
★日高逸子
スタート特訓では熊谷にやや劣った(つまり普通)が、足合わせで新良一規の内からグイッと抜けた出口の足が印象に残った。年々、男の猛者たちが強くなっているだけに、この機敏な回り足で思わぬ穴を提供するかも?? このマザーだけはいつ何時でも軽視するなかれ!
★山室展弘
熊谷と同じように、スリットからちょっとだけ覗いた。スローよりダッシュのときの加速感が勝っていたため、伸び型かも。
他では富山弘幸、金子良昭の行き足、菊池峰晴の出足、乙津康志の伸びあたりがほんのちょっぴり強めに見えましたが、胸を張って断言はできません。
さてさて、まったく信用できない前検時計をば。
前検時計TOP10
①今村暢孝 6.55=3m
②上田隆章 6.61=2m
③北川幸典 6.62=4m
④山室展弘 6.64=4m
⑤新良一規 6.65=3m
瀬尾達也 =3m
乙津康志 =2m
柳田英明 =2m
⑨熊谷直樹 6.66=3m
高橋 勲 =2m
菊池峰晴 =2m
信用できないというのは風の推移です。前検中に風速が極端に変化し、第5・6班はホーム追い風6~7m(波高も2~6cmまで変化。これってまったくの別水面でしょ!)。その班の11人はランク外になりましたが、むしろ当然と言えるでしょう。上記の風速にしても、航走している間にかなりの強弱があったはずで、単純な比較はしないほうがいいと思います。ただ、それにしても暢さんの時計が速いっすね。相当な伸び型なのかもしれません。
前検ワースト5
①小畑実成 6.91=6m
②倉谷和信 6.87=7m
③垣内清美 6.86=7m
④島川光男 6.85=4m
吉田隆義 =6m
TOP10とはうって変わって、ほぼ強風の5・6班が独占。そりゃそうだ。つまり、この数字はまったく気にする必要はないとお伝えしておきます。第3位の北川と同班だった島川だけは、ちょっとだけ気になりますが……。
以上、読者の皆さんにおいては上記の見立て&数字を過信することなく、明日の本番に備えてくださいまし。私もこの記事を一度リセットするくらいの気持ちで、明日に臨みます! あ、そうそう、「今年の全レースの中でもっとも進入が難しいレース」であろうドリーム戦(①田頭②西島③三角④今村豊⑤今村暢⑥大嶋)のスタート特訓は……
①…12345/6
②…126534
③…16542/3
この3本を見た結果、さらに困惑が深まりましたわぁ(笑)。
(photos/シギー中尾、text/畠山)