“3連覇”への踏み台
11Rシリーズ優勝戦
①川野芽唯(福岡) 11
②池田浩美(静岡) 09
③平高奈菜(香川) 10
④大瀧明日香(愛知)06
⑤水口由紀(滋賀) 12
⑥西村 歩(大阪) 06
去年のクライマックスを制した芽唯ちゃんが、今年はこちらの舞台で優勝した。変則の2年連続制覇だな。もちろん、格的にはかなり落っこちた(グランプリ→GPシリーズより極端な格下げ)わけだが、こと川野に関しては「去年より明らかに強くなった」と感じた。
去年の大晦日、私は当欄で川野の「意外性」ばかりを強調した気がする。まだムラはあるが、潜在能力はメチャクチャ高い。そんな論評だったはずだ。今節の川野はVの有力候補としてシリーズを駆け抜け、まったく危なげのない成績でその下馬評を現実のものにした。「意外性」とは真逆の横綱相撲でシリーズの頂点に立った。
その過程とレースっぷりがまた素晴らしい。中堅レベルに思えたモーターを日々少しずつアップさせ、機力が足りない分をターンスピードで補い続けた。で、いざ機力面が仕上がると、とてつもない強さを見せつけた。昨日と今日のターンスピードは、周年記念でもそれなりに通用するだろう。あくまでも「それなりに」だが、シリーズ組では抜けた存在として私の脳裏に刻まれた。
今年は怪我などで出世が遅れ、この舞台に甘んじた芽唯ちゃん。本人としては不本意な部分が多々あったろうが、挫折やスランプが人を強くすることもある。兄弟子の瓜生のレースやアドバイスをじっくりと体内に蓄積し、ひと回り成長した姿がそのまま水面に投影された6日間だった。来年の大村では再び12Rに返り咲き、超変則のクイクラ3連覇を成し遂げてもらいたい。それに見合うだけの強いレーサーになった。今節の優勝を見て、そう確信した。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)