今節は畠山不在で単独参戦(畠山は14日、15日と児島外向発売所「ガァ~コピア」で予想会。岡山の方はぜひ)のため、前検チェックとピット取材を掛け持ち。いや~、前検チェックは久しぶりだなあ。いつ以来かは忘れたが、どのポジションでチェックするかもしばし迷って試行錯誤の連発。最初の2、3班はいろいろ移動しながらのチェックとなりました。また、グランプリから日が浅く、モーターに関しての先入観も否定できない。15号機の津田裕絵はどうかいなあ、おっ、やっぱり良さそうじゃん。本来は「津田が動きがいいぞ、ああ、15号機だったっけ」という順番でなければならないわけですが、ついグランプリの記憶を先に呼び起したりしてしまうわけです。あ、言い訳ですか、そうですか。はい、正直言って、畠山のように「前検を斬る!」と言い切るだけの自信はありません! そんななかでも目についた選手を何人かあげておきましょう。
まず、グランプリで好気配だったモーターは、やはり動いていたと思います。70号機の近江翔吾、15号機の津田裕絵、4号機の今泉友吾、58号機の西野雄貴。スタート練習ではいずれも余裕があり、特に津田はダッシュ時にスリットから軽快に出て行く足色でした。近江は旋回もスムーズで力強い。この4人はA2級勢ですが、特にトーナメントは侮れないと思います。
グランプリで池田浩二がなかなかの足色を見せていた17号機=重成一人も行き足から伸びが上々の気配。齊藤仁がシリーズ優勝戦2号艇の7号機(三島推奨)=馬場貴也も、どの足も上位に見えました。他にメモに○がついているのが、藤田浩人、石橋道友、瓜生正義、山本隆幸など。松井繁は「内に対しては出て行く感じ(3コース)」とメモしています。
逆に△がついて苦しそうに見えたのが、西川真人、坪井康晴、島村隆幸、羽野直也。羽野は三島推奨の62号機なのですが、単走での旋回はスピード感が足りないように見え、スタート練習でも目立たない足色でした。レース足がいいのかな? 前検タイムも出ていません。
また、峰竜太は旋回が豪快でスムーズだった。もっとも何しろ峰竜太ですから、足がいいのか腕がいいのか、といったところではあります。峰は前検8班。つまり最終班ということで、峰のターンを見てからピットに向かうと、ちょうど整備室に向かう峰とバッタリ。
「悪くないでしょ?」
「だと思いますね。これくらいあれば大丈夫でしょう。あとは運っすね(笑)」
前検としては合格点といったところか。
その後、ペラ室を覗くと、やっぱりというかなんというか、坪井の姿が。表情も少し深刻そうに見えた。グランプリでは15号機に乗り、前検から好感触を語っていただけに、感覚に相当の差がありそうだ。坪井が引いたのは12号機で、グランプリでは辻栄蔵が優出したモーター。もともとグランプリ18基のなかでは唯一のC評価モーターで、しかし辻が仕上げてトライアル1st組唯一の優出にこぎつけたものだ。正月開催を経てC評価の素性に戻ったのか、それとも……。坪井の調整力はかなりのものなので、明日には辻仕様が復活しているかも。注目しよう。
整備室奥のギアケース調整所には錚々たる顔ぶれが。松井繁に今垣光太郎、平本真之らSG覇者がずらり。僕と言葉を交わした後の峰もここに向かっている。整備室手前のテーブルでは、瓜生正義がリードバルブ調整を行なっていた。そうそう、ペラ室には菊地孝平の姿もあったな。今節は、かなり豪華なメンバーとはいえ、グレードは一般戦である。優勝賞金も高くはない。それでも、銘柄級はSGで見るのと変わらない動きを見せている。一般戦なのに相手が濃すぎるから、という理由もあるのかもしれないが、まさかそれが大きな理由ではあるまい。舞台が何であれ、いつも通りに勝つための準備を怠らず進めていくから、銘柄級と呼ばれるポジションに行けるのであろう。あ、超短期決戦だから悠長に構えてる場合ではない、というのも理由ではあるでしょうね。それにしても、遅くまでSG常連が黙々と仕事をしている姿には、やはり感じ入るものがある。
とはいえ、昨年はA2級だった今井美亜が優勝したように、ビッグアプセットが十二分に起きうるのもバトルトーナメントの魅力! 寒いなか一生懸命に新兵仕事と自分の作業を行なっていた松尾拓、羽野直也、西野雄貴らにはぜひ強くてどうしようもない先輩に一太刀浴びせてもらいたい。陸ではトップどころの背中を見て、水の上ではトップどころに自分の背中を見せつけるべく奮闘し、全国に名前をアピールしてください!
最後に前検タイム。
1 馬場貴也 6秒69
2 津田裕絵 6秒71
3 藤田浩人 6秒74
新田泰章
5 西野雄貴 6秒75
6 重成一人 6秒76
今井美亜
8 菊地孝平 6秒77
三浦永理
前出達吉
馬場と津田が抜けてます!
ワーストは……
1 今垣光太郎 6秒96
山口達也
3 前田光昭 6秒94
4 小畑実成 6秒92
5 馬場剛 6秒90
もう一人の馬場はこちらに入ってしまいました……。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)