(抽選前のつぶやき)
『BOATBoy』8月号でも書いたのだが、丸亀モーター相場は7月末の「楽天銀行杯」でゆゆしき出来事が連発している。簡潔に記すと
①当時エースの48号機が事故に巻き込まれてプロペラとギヤケース交換。
②同じく準エース18号機が初日にプロペラ交換&接触事故。
③2連率3位だった55号機が転覆&妨害失格でピストン2個と電気一式交換。
つまり、当時のトップ3がいささか深刻な部品交換を余儀なくされたのだ。その後の気配はというと、48号機と55号機は明らかに足落ちムード。特に、行き足~伸びが強烈だったエース48号機は、展示時計もレースっぷりも直線で威張れる感じがまったくなかった。55号機は続く「サッポロビールカップ」にも参戦(牛田祥二)したが、一度も舟券に絡むことができなかった。準エースの18号機だけは、トップレベルの実戦足があるように見えたのだが……。
★勝手な結論/今節のモーター相場は戦国時代、数字を過信せず低勝率の下剋上パワーで大儲けを狙え!!
ってな感じだな。たとえばBB誌で下剋上の◎を打った57号機(30%ちょい)は、「サッポロビールカップ」でもB1谷口健一が3141133L3と活躍し、最終日11R選抜戦の1号艇をゲットしている。とにかく、48号機や55号機が数字だけで人気にするようなら、思いきって蹴とばす手もあるとお伝えしておく。ちなみに4月のGI京極賞で中田竜太が211121①と凄まじいパワーで優勝した14号機(BB誌の私の○印)も、直前「サッポロ~」で池田明美が62655542と大苦戦しており、悪い意味で怪しいムードが漂っている。
(抽選後)
以上の見立て(あくまで推論)を引っ提げて、いざモーター抽選会場へ! 和気あいあいの談笑が弾む会場で、やはりポツポツと漏れ聞こえる数字が「48」だ。プロペラとギヤケースを交換した影響がはっきりしないまま、「丸亀のエース=48号機」の定評は選手たちにもそのまま根付いている。1番違いの49を引いた田中信一郎は「うわっ、惜しい! ちっくしょーーっっ!!」と露骨に悔しそうな顔。その後も「48」の数字は呼ばれず、選手たちからの「まだ出ない」「出てないらしい」という声が、徐々に膨らんでゆく。
で、そのままエース番号が呼ばれることなく、残る抽選者は2名のみ。茅原悠紀と桐生順平のどちらか、に絞られた。まずは、茅原だ。
「48、まだあるでぇ、茅ちゃん!」
山口剛が茅原に檄を飛ばす。
「ヨッシャーーーッ!!!!」
気合パンパンに椅子から立ち上がった茅原は、「よんじゅうはち、よんじゅうはち……」と呪文のようにつぶやきながら、ガラポンの取っ手を握りしめた。
「ホイッ! ホイッ!」
叫びながら取っ手をぐるぐる回し、一気の逆回転。自慢の異次元ターン張りの急旋回(笑)。ポロリとこぼれ落ちた玉には……「1」と記されていた。
「ンギャーーーーッッ!!!!」
奇声を張り上げ、頭を抱える茅原。その背後から、にんまり笑う桐生順平が噛み締めるようにゆっくりとガラポンを回して、最後の一玉を絞り落した。もちろん「48」。
オーーーーッッ!!
全員そうと知りつつ、持ってる男に対する賛辞の声と拍手が飛び交う。順平ははにかむような照れ笑いで、その歓声に応えた。
まあ、こんな感じで今日の抽選は「48」一色だったのだが、先に記したように今節の48号機は「不透明なエース機」なのである。
むしろ、準エース18号機を引き当てた岡村仁、素性のいい43号機をゲットした石野貴之(ガラポン時のフラッシュ数は他を圧倒していた。3節連続28号機Vというのも見たかったが、28号機は久田敏之の元へ)の方が優勝に近いかも??
ちなみに、BB誌の◎=57号機を引き当てたのは……私の将棋の師匠・白井英治! すべての抽選が終わってから、メモ帳に大きく記した『◎=57』という文字を突きつけると、やや暗い顔をしていた英治師匠は「うそっ、マジッ!?」と叫んで顔をほころばせた。信じてくださいまし、たった30%ちょいの低調機に見えるけど、十分に優勝が狙える下剋上パワーでっせ、師匠!!(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)
BB誌の丸亀モーター印
◎57号機…白井英治
○14号機…松田大志郎
▲6号機…渡辺浩司
△21号機…萩原秀人
△56号機…岡崎恭裕
△59号機…今垣光太郎
…………
★48号機…桐生順平
★18号機…岡村 仁
★55号機…新田雄史