BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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レディースオールスター3日目ピットレポート後半――試運転

 本日のピットはやや早じまいモード。14時すぎには、レースを終えた選手のボートの多くがすでに格納庫に入っていた。明日は、天気も、気温も、風向きまでも変わりそうな気配なので、ここでバタバタと調整しても仕方がないという意識が選手間にあるのだろう。

 そんな状況でペラを調整しながら試運転を繰り返している選手は、総じてエンジンが出ていない者であったりする。

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 試運転ができる時間ギリギリ、12R発売中まで熱心に水面に出ていたのは竹井奈美。2日目は廣中に道中で逆転され2着、本日も2Rは勝率2点台の山本宝姫にも先着されて最下位、7Rも4着とエンジンに苦しんでいる。予選突破はかなり苦しい状況だが、やれることをやるだけやって、明日のレースに挑む。

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 竹井と足合わせをしていたのは、同期の浜田亜理沙。浜田のエンジンも大したことはなく、初日1走目が1号艇で6着、2走目は転覆、3走目4着と地をはっていた。本日は2着に入ったが、こちらもすでに予選突破は絶望的な状況。ただし、敗者戦まわりが確定していても、何とかこの状況を脱しようと努力を惜しむことはない。

 浜田は予想外に不調だが、他の埼玉軍団はなかなかの成績をおさめている。B1の瀧川千依も初日に1勝、清埜翔子も本日3着に入線して穴をあけ、大豆生田蒼は得点率6.50、島田なぎさは6.75を記録している。

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 なかでも島田は12Rで6着に敗れて得点率を大きく落としてしまったが、昨日の時点では得点率1位タイ(着順差で予選2位)につけていた。本人も「成長している」という実感があるようで、ピット内でも生き生きとしている。明日は2Rと11Rの2回走り。ただし3日目終了時点での得点率は6.75あるものの、今回はボーダーが高く、予選順位は15位。同県同期の大豆生田もそうだが、明日は彼女たちにとって試金石の1日になる。

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 山本宝姫も遅い時間まで試運転をしていた一人だ。もちろんエンジンを上向かせるべくいろいろと試しているのだと思うが、それ以上に1周でも多くボートに乗って腕を向上させようという意識があるように見えた。
 陸に上がると新兵作業、周りのすべてが先輩選手なのであいさつや気遣いは欠かせず、さらに繰り返しの試運転、移動はもちろんダッシュ。かなり忙しそうだが、この忙しさに慣れることで、若い選手たちはピットでの時間の作り方を覚えていく。

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 若い選手を取り上げたので、ベテランの話も少し。今節最年長の日高逸子は8Rの1号艇で6着に敗れた。
 ただレース発走5分前くらいに、選手控室から大きなノートを持って水面際にやってきて、何かメモをしていたのを見かけた。恐れ多くて「中を見せてください」とは言えないが、レースに向けて気づいたことをメモしているのだろう。今節はすでに賞典除外で予選落ちが確定している。しかし今後のレースために、こうした細かい努力を怠らない。56歳になっても、グレートマザーは未来を見据えている。

 予選3日目を終え、明日はいよいよ勝負駆け。天候も変わりそうなので、ピット内は慌ただしくなることだろう。

(TEXT・姫園 PHOTO・池上)