BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――SG開幕の興奮!

f:id:boatrace-g-report:20180316121029j:plain

 SGが始まった! レディースオールスターで取材はしたけれども、やはりSGのピットはまた興奮が違う。今年もこの空気に存分に包まれ、そしてさまざまなことをお伝えしていこう。
 オープニングは魚谷智之が5カドまくり! アウトから伸びた仲谷颯仁を止めて、そのまま握って内を沈めた。お見事! 会心の勝利を決めた魚谷を出迎える吉川元浩と山本隆幸。魚谷はその2人に対してヘルメットの奥からニッコリと微笑むと、あとは淡々とエンジン吊りをこなして、控室へと戻っていった。そのたたずまいがまた、SGらしいという気がして、心弾ませる。

f:id:boatrace-g-report:20180316121100j:plain

 長嶋万記は残念だった。初日1Rの1号艇という“大役”を果たせず。渾身の思いで逃げ込みをはかったが、魚谷のまくりには届かなかった。ただ、道中はなかなかの走りだった。3番手争いに持ち込んで、全速ツケマイの連発で前本泰和を沈めたのだ。これは非常に価値ある3着! 気持ちが伝わってくる走りでもあった。それもあってか、やや沈んだ表情でピットに戻ってきながらも、JLC解説者の村田瑞穂さんに声をかけられると、さっととびきりの笑顔を浮かべていた。1着は取れなかったが、まずまずの初戦ということか。

f:id:boatrace-g-report:20180316121133j:plain

 あ、村田さんといえば、井口佳典とのツーショットが撮れたので載せておきます。三重支部の新旧強豪。井口にとっても、心やすい先輩がピットにいることは心強いはずだ。

f:id:boatrace-g-report:20180316121238j:plain

 2Rでは、波乱が起こってしまった。1号艇の土屋智則が初戦で勇み足だ。白井英治が動いて2コース、それを見た2号艇の三井所尊春が3カド! その隊形を意識してしまったか、土屋はやや突っ込み過ぎてしまった。誰よりも早くピットに戻ってこなければいけないのは、やはりやるせないこと。一足先にピットにあがり、残った5艇を待つ表情はやはりカタかった。

f:id:boatrace-g-report:20180316121311j:plain

 それにしても、さすがの三井所尊春! いまや艇界トップと言ってもいい「まくり屋」が、初戦から3カドまくりを見せてくれたのだから嬉しい。たとえば多摩川周年を制した時のような迫力ある伸びには見えなかったが、ここからさらに調整を重ねて、理想に近づけていくだろう。たまたまピットを訪れていた上瀧和則選手会長も、佐賀の後輩のをいい表情で見つめていた。

f:id:boatrace-g-report:20180316121347j:plain

 さてさて、1R終了後のピットでは、2カ所で選手の輪が出来上がっていた。その輪の中心には、それぞれ吸水用のクリーナーが鎮座している。実は2つのクリーナーは新品で、1R終了後がまさにデビュー戦。ところが、そのいずれもが「ぜんぜん吸わない」という状態だったのだ。選手の輪は、その原因を究明しようと集まったものであった。
 そこは整備のプロたち! 整備士さんや検査員さんも加わって、手際よく分解して原因を探し出すと、あっという間に吸水能力復活! モーターを立て直すより、クリーナーを立て直すのほうが簡単なのは当たり前なのだ! さすがです!

f:id:boatrace-g-report:20180316121414j:plain

 そう、モーターを立て直すのは、なかなか難しい。昨日も記した原田幸哉の62号機だが、今日乗ってみたら「いたって普通」とのこと。劣勢だった前検よりは上向いてはいるが、やはり一日でエース機パワーを復活させるのは簡単ではないのだ。それでも「体感はいいから、レース足がいい可能性はある」とのことで、そのあたりをチェックしておきたい。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)