BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――急遽安定板

 9R発売中に、10Rのスタート展示から安定板装着というアナウンスがあった。朝から強めの向かい風が吹いていたが、その頃にさらに強まって、ピット内の風速掲示は10mと表示されることもあったほどだった。板が着くのも致し方ないところである。
 ただ、10R出走組はその頃すでにボートを展示ピットに着けており、もはや調整する時間はない。安定板が着くとパワーが落ちるというのがセオリーで、回転も上がらなくなるから、この段階ではチルトを上げるくらいが関の山。途中から安定板が着くというのは、なかなか簡単なことではないのである。

 濱野谷憲吾が右手に持っているのが安定板です。これをモーターの接水面に着けて、接水面積を広げることでボートを安定させるわけですね。濱野谷が向かっているのがまさに展示ピットで、この直後に板を装着したというわけです。

 11R、12R組はその頃にはみな試運転用の係留所にボートをつけていて、安定板装着はそこで行なっている。11Rのスタート練習も、安定板装着を待って行なわれていた。着けずに練習したって、装着しての本番レースでは勝手が変わってきますからね。11R組では、齊藤仁が練習後にボートを陸に上げている。残された時間はわずかだが、スタート練習の感触をもとにプロペラ調整を行なおうということだったか。

 で、ボートを陸に上げたあとの齊藤の動きが、もう“仁さん”と呼びたくなるものなのだった。レースを終えたあとの試運転を切り上げた柴田光がモーターを外そうとしていたのだが、その頃、リフト周りには選手の姿が皆無。モーターを外して架台に乗せるのにはヘルプが必要だから、ちょっと困っていた柴田なのである。それを見つけた齊藤は、自分のボートをそっちのけで柴田をヘルプ。さらに、山本隆幸、山本英志と立て続けにあがってきた試運転組のエンジン吊りをもヘルプ、獅子奮迅の動きだったのである。ね、仁さんって素敵でしょ。

 ちなみに、この試運転組はもちろん、安定板は装着していない。山本隆幸は、安定板を着けた井口佳典と足合わせをしたようで、井口に「板着けて、俺と同じくらいってことは、ええってことちゃうか」と声をかけていた。なるほど、板付きと板なしで合わせて変わらない足色ということは、相対的に板付きのほうが良いだろうという足し算引き算は納得である。そして、井口はドリームを4カドまくり一撃! 調整もうまくいってるんでしょうね。

 ところで安定板装着の10Rは、平尾崇典が5コースからぐいぐい出ていってまくりを放ったが、濱野谷憲吾が受け止めて逃げ切り。誰もが板がつかなかったらまくり切ったのでは、と思ったことだろう。平尾はチルトをマイナス0・5にしてのあの足だから、明日板が外れたとしたら、かなり楽しみ。僕は個人的には、板つかなかったら他の選手ももう少し良かった可能性があるので、相対的に考えると平尾はもう少し調整が必要な気がしているのだけれど、どうか。いずれにしても、板が外れた平尾を見てみたいですね。

 さてさて、10R発売中、ドリーム組は直前体重測定を行なうという旨のアナウンスがあった。これって、優勝戦などの前にはよくあることで、注目度の高い一戦は万難を排して行なおうという趣旨なのだろうと思っている。その会場である検査室に、真っ先にやって来たのは瓜生正義。いざ測定、と思ったら、その前にケブラーシューズを脱ぎ始めたのだった。そうか、体重を計るのに靴を脱ぐのは当然ですね。ただ、ケブラーシューズはマジックテープなどでしっかりと固定しているので、脱ぐのも一苦労といえば一苦労。それでも、ドリーム組は王者も含めて、律儀にシューズを脱いで検査室に入室しているのでした。

 ちなみに、全員の測定が終了した後、たまたま近くにいた林美憲も体重計に乗ってました(笑)。8Rは最低体重である52.0kgぴったりでの出走でした。今日は気温が26℃にも達する暑い一日だったので、ちょっと減ったかもしれないですね。宿舎でしっかりカロリー補給してください!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)