BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

赤城おろしの吹き始めたピットから

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 2R発走直前。「選手の皆さんにご連絡します」とのアナウンスがかかった。内容は、水面状況が悪化していることにより、3Rより安定板装着というもの。早い時間から吹いていた追い風がさらに強くなり、波が強くなってきたのだった。ということで、そのときに装着場周辺にいた選手たちは整備室で安定板を受け取って装着に取り掛かる。平高奈菜と寺田千恵が右手に持っているフォーク状のものが安定板です。

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 大変だったのは3R組。すでにボートは展示ピットにつけられているので、速攻で装着をしなければならない。整備士さんが6枚の安定板を手に、展示ピットにダッシュ! 展示控室で待機していた3R出走の選手たちも急ぎ出てきて、装着を始めていた。この段階で、安定板が着いての足色の変化に伴う調整はもう不可能。そうしたなか、よくぞ逃げ切ったぞ水野望美!

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 その水野望美がレース後、襟元を引っ張って検査員さんに勝負服の内側を見せている様子。何をしているかというと、勝負服の下に着ているオレンジベスト=重量調整用ベストを見せているのであります。今日の水野は46.5kgでの出走で、0.5kgの重りをベストに入れて、それを着用することで最低体重の47kgに調整している。検査員さんは正しく着用していたことを確認しているわけであります。

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 同レース2着の松本晶恵は、まあ最低限の着順は獲れたと思うのだが、本人はあまり喜んではいなかったなあ。ピット離れで2コースを獲り、差して舳先がかかるか、というところまで迫っただけに、地元のエースとしてはやはり勝っておきたかったか。直前の安定板装着というのも、ちょっとツイてなかったですね。

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 バナレで3コースに出されてしまった野田なづきは、同支部の先輩・小芦るり華と長く話し込んでいた。野田が両手をボートに見立てて動かしていて、ピット離れの状況を小芦に説明していた、といったところか。大レースの初陣だったわけだが、ちょっと苦いものになってしまったかも。

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 2R、6コースから田口節子が1着。大外からの勝利でテンション爆上がりなのだろう、リフトに乗っかったときから出迎えた仲間たちに大きな声で歓喜をあらわしているのだった。節ちゃんがレース直後にこんなに甲高い声を出しているのって、珍しいんじゃないかな。とにかくお見事でした。なお、『週刊BOATBoy』でこのレースを勝負レースに指定し、田口アタマを表明していた畠山は、ヒモがてんで筋違いで大外しでありました。

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 この2Rはスタート直後に「判定中」と画面に表示されている。のぞいた隊形から締めにいったのは清水沙樹で、判定されていたのはこの人だったのは明らか。それは本人も自覚していたようで、「やらかしたと思ったーっ!」とピットで苦笑いとともに声をあげていた。でもよかったね、コンマ00でセーフ! 着順は3着だったが、タッチで残ったことのほうがこのレースに限っては重要だったかも。ツキはあるぞ!

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 1号艇を生かせなかった薮内瑞希は、やはり落胆した様子。安定板が装着されなかったレースで、しかし風は強く波も出ていたから、簡単なインではなかった。しかも外からのぞかれる隊形だったから、逆にツキがなかったということになる。うなだれることなく前向きに、明日からの雪辱を期したいところだ。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)