BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――厳戒体制のピット

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 とにかく厳戒体制なのである。写真の下部、黄色い線はおわかりいただけるだろうか。これはいわゆる規制線。ここから先、報道陣は入ることはできない。ざっくり言うと、装着場に足を踏み入れることができない。ということは、整備室周りにも行けないし、ボートリフトや係留所に近づくこともできない。水面際に行ってレースを見ることもできない。カメラマンもここからしか撮影ができないし、我々もここから様子を眺めることしかできない。

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 選手との接触も、少なくとも我々取材班はかなわない。もう1カ所、規制線が張られている場所があって、ここには透明なビニールの幕が掛けられている。選手はここにやってきて、スポーツ紙の記者さん、それも代表に指名された数名だけが取材をすることができる。そう、ビニールの幕は飛沫防止用であって、この幕越しに選手と記者さんが話している。選手も記者さんもやりにくそうだが、仕方がないだろう。

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 ドリーム戦の記者会見でも、選手の前には透明な板が設置された。我々と選手との間にはソーシャルディスタンスが十分に保たれてはいるが、念には念を入れてさらに飛沫が飛び散るのを防止する。マスターズチャンピオンは、感染症対策をしっかり講じて開催される。というわけで、今回のピット記事はどこまでその様子を伝えられるか、なんとも申せないというところ。できうる限り規制線の外から目を凝らすが、普段通りの記事にならなかったら申し訳ありません。もちろん少しでも何かを得てここに記したいと思いますので、今節もよろしくお願いします!

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 と言いつつ、今日は整備室の様子は、規制線の外からでもよく見えたのであった。というのも、喚起を存分に行なうため、整備室の窓が開け放たれていたのだ。2班の前検航走を終えた西島義則がさっそく本体を割っていたのもバッチリ目撃。遠目かつ死角が多いので作業の内容まではわからなかったが、感触がもうひとつのときは前検からいきなり整備を猛スピードで行なう西島の本領発揮といったところだ。

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 早くも本体を割っていたのは西島だけではない。松井繁だ。王者が早くも本体に手をつけた! 松井は津で素晴らしい実績を残しているが、整備や調整の方向性も掴んでいるということ? とにかく、王者が前検の時点で本体整備に取り掛かるのはあまり見かけられるものではない。

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 あと、寺田千恵も! テラッチは「ピストンをやっている」という声が漏れ聞こえてきていて、明日の初戦は交換して臨むことになるかも(直前情報を要確認です)。夫の立間充宏は好モーターを手にしているわけだが、テラッチは対照的に気配イマイチということだろうか。どこまで立て直せるかが、夫婦旋風を巻き起こせるかのカギになるだろう。

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 ペラ調整所も、一部だが視界に入った。ここでペラを叩いていたのが石川真二。いやあ、いきなりのガン叩きですよ! 畠山推奨58号機を手にしたわけだが、これはストレートに分があるモーター。しかし石川が欲しいのはそこではなく、出足、そしてピット離れ。というわけで、早くもガンガンガンガン、力いっぱいに叩くわけである。自分に合った仕上げに持っていくノウハウはもちろん持っている石川だ。明日は畠山の見立てた足色とは別物になって、水面に登場するだろう。

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 ドリーム組では、吉川元浩が好モーターを手にして、感触の良さを会見で口にしていた。クラシック覇者に動きのいいヤツがいきましたか。今年も活躍必至! 津も3月に走ったばかりなので、仕上げの方向性にも不安はないだろう。

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 そうそう、規制線の外であちこち見まわしていたら、挙動不審(?)なオッサンに気づいた石渡鉄兵が、ぺこりと会釈をしてくれたぞ。いやあ、鉄兵さん、めっちゃいい人です! マスターズデビューとなる石渡鉄兵、応援しちゃうぞ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)