BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門オーシャンカップTOPICS 2日目

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 10Rでちょいと珍しいものを見た。峰竜太の6着。最近ではあまり見かけない代物なので、調べてみたらば「峰の6着」は今年に入って3回目。トータル161戦で6着3回はやはり“異常”の領域に近いだろう。その3回のデータはこんな感じだ。
★4/5下関GIの4号艇で6着…3連単①③⑥2640円
★6/16若松一般戦の4号艇で6着…3連単①②③7340円
★7/22鳴門SGの2号艇で6着…3連単①④⑤8720円
 何号艇でも人気になるお祭り男が飛べば、当然ながらオッズは跳ね上がる。今日の10Rも人気の①吉川元浩が逃げて、④馬場貴也と⑤吉田拡郎が混戦を捌いての1-4-5。体感としては「30倍くらいかな?」という本命サイドの決着が、87倍まで膨れ上がった。それもこれも、2号艇にスポンジのように票数を吸い込むあの男がいるためだ。
 ちなみに、このレースの3連単の人気フォーカスTOP10を列挙してみよう。
1位・1-2-4 8・5倍
2位・2-1-4 8・7倍
3位・1-2-3 10・0倍
4位・2-1-3 10・2倍
5位・2-1-6 14・0倍
6位・1-2-6 15・2倍
7位・1-2-5 17・2倍
8位・2-1-5 17・3倍
9位・1-4-2 27・3倍
10位・2-4-1 27・5倍

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 ②峰は①吉川とまったく同じ売れ方をしたわけだ。さらに言うなら、峰は他の選手の票を横取りするだけでなく、レース全体の票までパクパクと食べつくす。この10Rの総売上が2億2130万円だったのに対して、続く11Rのそれは2億1432万円。SGの終盤のレースで「手前のレースの方が売れる」というケースは極めて珍しい。さらにさらに言うなら、峰の前半6R(6号艇)でも11Rと同等の2億1098万円を売り上げている(次の7Rは1億6566万円!!)。これらの現象を一言でまとめると、こんな感じだろうか。
★峰の参加するレースはそれだけでバカ売れするし、オッズを極端に捻じ曲げる。
 まあ、「今年になって6着はわずか3回目」という事実=絶大なる信頼感が、まさにこれらの珍現象を生み出しているわけだな。

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 では、そんなモンスターがなぜ2号艇の2コースで6着に敗れたか。現時点で真相は不明だが、実戦を見る限り今日の後半の峰25号機は明らかにスカッている足色だった。1マークの差し漏れ(これも最近の峰ではありえない潰れ方)のみならず、すべてのターン回りでダダ滑りする感じで、周回ごとにズンズン置き去りにされていた。前半6Rはそれなりにしっかりと水を噛んでいたから、よほど回転が合っていなかったのだろう。
※閑話休題/この2日間を見る限り、今節はこの峰のように「前半はかなりいい感じの回り足だったのに、後半はまったくダメ」という極端なパターンがやたらと多い気がしてならない。気温や気圧、風などはさほど変化がないので、鳴門特有の潮流の上げ下げが影響しているのか。部品交換ラッシュで「水面に馴染む→馴染まない」という変化も考えられる。読者におかれては、前半戦の活躍を見て「この選手は間違いなく噴いてる、後半もガッツリ張り込もう」などと前掛かりになる前に、「後半も同じ足色を維持できるか?」と反芻することをお勧めしておきたい。

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 さてさて、峰竜太という特殊な存在は、明日も全国の票をスポンジのように吸い込むだろう。5号艇の5レースもガッツリ売れて、1号艇の12Rに至っては記録的なバカ売れになることだろう。本命党にとっては絶大なる信頼とともに厚く張れる男。穴党にとっては舟券から消えるだけで法外なオッズを提供してくれる男。それぞれの期待を一心に集めるスポンジスターが、明日はどっちのファンを笑わせてくれるのか。今日の6着惨敗の真相を探りつつ、私もわずかな資金を投じるとしよう。
※予想欄でも書いたとおり、パソコンにうっかりお茶をぶっかけてエンスト(←選手責任)~なんとか蘇生したものの、まだ完調には至らないので今日のところは峰オンリーの単発ネタで留めておきます。悪しからずっ!!(photos/黒須田守、text/畠山)