トライアル１ｓｔは初戦を終えて、それをふまえての調整が朝から続いている。まず目に留まったのは、モーターが乗っていない西山貴浩のボート。今節は整備室の内部をまったく見ることができないので何とも言い難いのだが、おそらく本体整備だろう。実際、１Ｒ後のエンジン吊りに、西山は整備室からあらわれている。大きな整備かどうかは直前情報を確認していただくほかないが、初戦３着でもまだ物足りなさを感じていたようなので、本体に着手しようという発想になるのはおかしくない。
その西山に競り負けるかたちで初戦４着となった瓜生正義は、早々にボートを水面に下ろしていた。レースを見る限り、パワーアップは急務。今日は忙しい一日になるものと思われる。
１Ｒ発売中、前本泰和がやはりボートを着水している。初戦は６号艇４着も、今日は１号艇。何としてもモノにしたいところであろう。いつも通り物静かな雰囲気ではあるが、内面は燃えるものがあるはずである。
同じようなタイミングで新田雄史がボートを下した。新田は初戦５着で今日は５号艇。足色的にはやや苦しいと見えただけに、大きな大きな勝負となる。その前はプロペラ室にいたようで、まずはその感触を確かめるための試運転ということか。
２Ｒ発売中に、松井繁がボートをいったん陸に引き上げた。そこに駆け付けたのが、前本と新田だ。足合わせをして、その感触を話し合っているシーンである。松井と前本の絡みって、初めて見たような気がするなあ。これもグランプリの特異性ということなのだろうか。新田は１分ほどでこの輪から離れ、松井と前本はさらにサシで１～２分ほど話し込んだ。その会話の中身が、このあとの調整に繋がっていく。
そうそう、松井がボートを装着場の空いているところに置こうとしているとき、平山智加がやってきて、両手で拝むようにして頭を下げている場面があった。平山が何やらお礼をしている、という感じで、松井は柔らかな笑顔を平山に向けている。何らかのアドバイスがあったのだとしたら、王者の助言を受けられた平山は幸甚の一言だろう。手を合わせたくなるのもわかります。
遠くの係留所に徳増秀樹が見えた。正座の態勢で座った徳増は、そのまま後ろに倒れ込み、さらには両手をグルグル回しだした。写真ではわかりにくいかな？ ストレッチだと思うのだが、実はこれ、係留所でよく見かけるものなのである。想像するに、両腕両肩をほぐし、あと太ももが伸ばされているのかな。徳増が水面に出る際のルーティンのようなものだろう。そしてこのあと、徳増は水面へと飛び出していった。試運転も濃く全力投球！
とまあ、トライアル１ｓｔ組は早くから試運転、さらにはペラ調整（あるいは本体の調整）に必死の様子である。今日の戦いで２ｎｄ行きか、シリーズ行きかの運命が決まる。誰だってシリーズに回りたくはないわけで、その強い思いがひとつひとつの動きに込められるわけだ。もちろん、表情も鋭くなる。
今日は想像通り目つきが険しい井口佳典。ただ、少しだけくつろいだ雰囲気になった瞬間が写真のシーン。同期の湯川浩司との会話だ。湯川のボートに軽くもたれかかるように立ち、笑みを浮かべながら湯川と絡む。湯川は装着作業の最中だったのだが、湯川がそちらに集中して会話が途切れても、井口はその場を離れなかった。同期の存在を感じながら、水面を見つめて物思いに耽っていたのである。ヒリヒリする戦いに臨むときにも、やはり同期の存在は心強い。こういう時間が、闘志に燃料を注ぐものになっているのかもしれない。
２ｎｄ組は、今日も早くから調整、試運転に余念がない。吉川元浩、寺田祥は１Ｒ発売中には水面に出ている。今日も一日、パワーアップに明け暮れることになるわけだ。
毒島誠は整備室にいた模様。そうです、これも確認はできないのだが、整備室を何度か出入りしている姿を見かけたのだ。作業の中身は果たして。
シリーズ組も奮闘を続ける。１Ｒは坂口周が差し切り快勝。力強い表情でピットに帰還した。３月の当地クラシックは優出３着。ゲンのいい水面で、そのさらに上を目指したいところ。今日は10Ｒに２走目を控えており、さらに調整を進めていくことになるはずだ。
おそろいのウェアでニコニコ顔の坪井康晴と須藤博倫。何を話してたのかなー。
女子選手は平山智加と守屋美穂が参戦。こうして会話を交わす場面をすでに何度か目撃しています。二人とも頑張れ！（黒須田）
