BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――調整と試運転

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 ピットの隅も隅、他の選手がまずやってこない場所で、今垣光太郎がストレッチをしていた。うわー、柔らかいですなー。ワタシ、光ちゃんとは1歳違いですが(ワタシのほうが上)、こんなん絶対に無理ですわー。ボートレーサーはやはりアスリートなのだと思わせられるシーンであります。この場所は陽光が降り注いでいて、日向ぼっこのついでにストレッチ、という感じ? 実は光ちゃん、さまざまなピットで、選手の姿が見かけられない場所で日光浴ばりにゆったり過ごしているのをちょいちょい見かけるのです。

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 そんな時間を過ごしているということは、ようするに、エンジンの感触が悪くない、ということなんでしょう。2日目の早い時間帯、やはり多くの選手は調整や試運転で忙しそうにしているわけで、急ぎ作業に向かう必要がないというのは、むしろよろしいことであります。対照的に地元の原田幸哉は、3Rが出番ということもあって、試運転などに励んでいる。直前情報を見たら、セット交換!(ピストンリング4、ピストン2、シリンダーケース)換えたセットを馴染ませるためにも、水面を数多く走る必要があったわけだ。その3Rは事故レースということもあって結果にはつなげられなかったが、この感触をもとにさらに調整を進めることになるだろう。

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 徳増秀樹は2R発売中にボートを水面に下ろし、試運転を行なうと、ふたたびボートを陸にあげている。そこに駆け寄ってきたのは湯川浩司。足合わせをしていたのだろう、徳増は湯川に声をかけた。
「伸びるね~~~」
「…………いいでしょうか?」
「いいと思います」

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 どうやら湯川に伸びが来ているようだ。ま、「いいでしょうか?」という返しが、まるで徳増に許可を求めているようにも聞こえて、可笑しかったのですが(笑)。湯川との伸びの差を感じたことで、徳増がどう調整していくかも気になるところだ。

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 F2で参戦、決して事故はできない茅原悠紀だが、もちろん勝負を投げるつもりはまるでない。調整もいつも通りに懸命に行なっているし、試運転も緩めることなく行なっている。2R発売中にボートを下ろす際、西山貴浩に電気位置についてアドバイスをもらっている場面も。電気位置がどうだったらこうなる、みたいなことを僕はぜんぜんわかっていないので、二人の会話はまるでチンプンカンプンだったのだが。選手同士の会話って、ときどき何の暗号かと思うことがあるものなんですよね。

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 で、ニッシーニャですが、瓜生正義のモーター装着をヘルプして、モーター架台を置き場まで運んだ。いや、運んだんじゃなくて、暴走した(笑)。架台にまたがって、ウリャーッ! 架台ライダー!? ようするに、架台置き場の前でこちらが撮影しているのを見て、シャッターチャンスをくれたというわけである。人を笑わせるのが好きなのは確かだろうが、実はそれもサービス精神の賜物だったりする。ようするに、いつも他人に気を遣っている男なのである。(黒須田)