BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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浜名湖レディチャンTOPICS 2日目

ドリームチームの制圧

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 昨日は「パワー駆け」という言葉がぴったりの1日だったが、一夜明けた今日は全レースに散らばった「ドリームチーム」が縦横無尽に暴れまくった。特に前半戦は『蹂躙』という表現が相応しい。
 1Rの②鎌倉涼は①永井聖美の逃げを捕まえきれずに2着止まりも、2Rの③小野生奈はただひとり突出したスタートから一撃の3コース絞めまくり激勝。3Rの⑥遠藤エミは⑤平高奈菜の男前な絞めまくりにぴったり連動し、鮮やかすぎる6コース全速まくり差し完勝。4Rの③平山智加は内2艇のドカ遅れには耳も貸さず、コンマ09の鋭発から悠然たるハコまくりで圧勝。5Rの②守屋美穂に至ってはピット離れで抜け目なくインコースを奪い、コンマ08のトップスタートから軽々と先マイ楽勝……一息で書ききってしまうほど、スピーディかつ怒涛の4連勝だった。まさに「モノの違い」と言うしかないだろう。

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 6Rの⑤田口節子はコースの遠さを克服できず、4着でドリームチームの連勝は途切れたが、続く7Rの④鎌倉が4カドからえぐり込むようなまくり差しを決め、5人目の勝ち名乗りを挙げた。ここまで1号艇が1度もなかったのに、7レースで5勝ってあなたたち……。

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 続く8Rの⑤小野はまくり差しで突き抜けそうな展開がありながら、舳先の入れどころを迷った感じで5着。生奈にしては珍しい判断ミスで、あるいはドリーム組の中でやや劣る機力が彼女の舳先を揺らしたのかも知れない。何にしても、平山や遠藤、守屋らが大きく得点を伸ばした中での5着停滞は、パワー面も含めてV戦線で大きな後れを取った気がしてならない。
 最後まで突っ走ろう。9Rは④遠藤が強烈なまくり差しを繰り出したが、難敵の①松本晶恵がギリギリその猛攻を凌いで遠藤に土をつけた。とは言え、この4号艇での2着は1着に匹敵するほどの余裕を感じさせた。

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 10Rはドリーム組で今日はじめての1号艇を与えられた平山が、堂々のイン逃げで2連勝。スリット隊形は2コース山下夕貴が突出(コンマ03のF!)して絶体絶命に見えたものだが、素晴らしい伸び返しでF艇を分厚い壁へと塗り替えた。
 11Rも1号艇の田口がガッチリとインから押しきり、これでドリーム6人全員が勝ち名乗り。そしてそして、オーラスの12Rでは6号艇の守屋が、アウト最内差しからグングン伸びて1着という大技でフィニッシュ!! 
 集計。1R~12Rに散りばめられたドリーム戦士の着順は【②①①①①⑤①⑤②①①①】! で、6人がすべて白星を1個または2個(守屋と平山)もぎ取り、枠番を下回る成績は1レースたりともなかった。ちなみに6人の全枠番は42枠で22着。ゴルフに例えるなら「20アンダー」で、今日1日だけで東京オリンピックの松山英樹のトータルスコアを超えてしまったわけだ(笑)。
 昨日から今日までの流れを端的にまとめると、こんな感じだろうか。
――昨日は1R~11Rまで強いドリーム組が不在の中、パワー上位の伏兵たちが暗躍して穴を演出。今日はすべてのレースに配置されたドリーム6人組が、それらダークホースの動きをほぼ完全に制圧した。
 「パワーの利」がモノを云った初日、「選手の実力」が幅を利かせた2日目……はてさて、スタート勘が揃いはじめる明日あたりは「コースの利」が最優先される、穴党にとっては今日以上に苦しい1日になってしまうかも??

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 さてさて、ちょいと気が早いけれど、2日目にして女王戴冠の有力候補がかなり絞られてきた、と私は感じている。筆頭はもちろん初号機パイロットの遠藤エミ。完全優勝の可能性こそ潰えたものの、ドリーム2・6・4号艇での1・1・2着という貯金はあまりにも大きい。明日の【4R5号艇・9R3号艇】でもピンを並べるようなら、4日目の1号艇を待つまでもなく「V確率40%」あたりを宣告してもいいだろう。

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 そしてそして、遠藤と同じく今日の6号艇を勝ちきった守屋美穂。相棒39号機の機力はエミ初号機にやや劣るとは思っているのだが、浜名湖の遠い遠い6コースから最内差しで先頭まで上り詰めたパワーは上位の一角とみなしていいだろう(昨日までの鑑定は中堅上位)。【7R4号艇・12R1号艇】という遠藤よりも好枠を与えられる明日は、できる限りリードを保っておきたいところだ。

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 以下、ドリーム組からは平山、鎌倉もV圏内に加えるが、現状の機力としては遠藤・守屋よりも一枚下と言わざるをえない。で、パワー面を重視するなら、もちろん今日も強烈な握りマイでグングン着を押し上げた細川裕子48号機がV候補の3番手になる。一方、前検から惚れ込んでいる倉持莉々40号機は、道中で昨日ほどの迫力がなく空回りしている印象を受けた。調整面でズレがあったと思うのだが、2日目での5・3着という崩れは大きなマイナスポイントになりそうだ。

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 そしてそして、正統なV候補からはほど遠いけれど、とにかく大一番での逆転満塁ホームランがあるとすれば高田ひかるだろう。誕生日の今日は自慢の伸び足が一息で5着大敗を喫したが、彼女の場合は予選トップ云々はほとんど意味をなさない。大谷翔平レベルの長打力さえ備えきれば、1号艇が遠藤だろうが守屋だろうが抑えきるのが難しいスラッガーになってしまう。明日の【4R1号艇】という“難関”をしっかり乗り越えつつ、凡機20号機に飴とムチを与えて異次元の伸び足を引き出してもらいたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)