BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

尼崎レディースvsルーキーズTOPICS4日目後半戦

パワー決着!

f:id:boatrace-g-report:20220201172007j:plain

 井上忠政vs渡邉優美のシリーズリーダー争いは、12R1号艇・優美の結果を待つことなく、11Rでケリがついた。ド派手な4カドまくり、一撃。初日から【1③11111着】と圧倒的な強さで文句なしのトップ当選だ。
 今節のパワー&選手の力量に関しては、もはや言うべき何もない。重箱の隅をつついて不安材料を探すなら、①F持ち&伸び型仕様だけにインからのスタートで後手を踏むかも、②今節は圧勝ばかりで直線足以外のパワーが未知数、の2点か。弱点と言いきれるファクターではないが、明日以降で不覚を喫するとしたら、このあたりが作用した場合に限ると思っている。

f:id:boatrace-g-report:20220201132717j:plain

 一方、レディース組も圧倒的な強さで渡邉優美が準優1号艇をもぎ取った。前半の3コースまくりに続き、最終12Rもイン逃げ圧勝。節間【122111着】という凄まじい成績で打倒・忠政の旗手となった。例えば、明日の両雄がどちらも逃げきれば【①忠政②優美】の配列に。正味のパワー比べでは忠政に分がありそうだが、先に書いた不安材料が発動したらば現在の優美はそのホコロビを看過することなく攻めたてるだろう。

f:id:boatrace-g-report:20220201172112j:plain

 で、紅組の6位ボーダー近辺に目を向けると、前半6Rのイン戦を取りこぼした實森美祐8号機は、残念ながら圏内に返り咲くことなく女子8位でV戦線から離脱した。昨日から覚醒した8号機が準優~ファイナルで暴れまくるシーンは幻となったが、劣勢を強いられている団体戦のジャンヌ・ダルクとして活躍してもらいたい。

f:id:boatrace-g-report:20220201172324j:plain

 ってなわけで、今日の団体戦は紅組の内枠ブロックが多かったにも関わらず、ルーキー軍団が2度のブレークを決めて5勝3敗と勝ち越した。数原魁の団体戦らしからぬ3カド攻撃など、縦横無尽に暴れた印象だ。4日間の総合ポイントは

 紅組1418白組

 昨日の2点差から4点に開いたが、この程度の差は最終日のラスト3レースでいくらでもひっくり返せるレベル。明日は1R~8Rの早期決戦で、この4ゲーム差の基礎点を巡る攻防が繰り広げられるだろう。

明日のブライトホース

『アウトから一撃めんそ~れ!』
5203神里琴音(福岡・128期)

f:id:boatrace-g-report:20220201172403j:plain

 沖縄出身、16歳デビュー。
 これだけで大きなニュースソースとなった琴音ちゃんだが、なんの、彼女の魅力はそんな外殻だけではない。昨日も少し触れたように、ボートレーサー養成所のリーグ勝率は6・09。128期には全体トップの7・60を叩き出した長州の女傑・藤本紗弥香(女子のリーグトップは66期・松瀬弘美、127期・清水愛海に続く3人目とか)がいるが、それに次ぐ女子2位の好成績を残した。16歳で6点台は、もちろん身体能力の高さの顕れだろう。

f:id:boatrace-g-report:20220201172517j:plain

 その潜在能力をフル稼働して初勝利を挙げたのはデビュー3カ月後の宮島、46走目の早いイチ抜けだった。勝ちっぷりも凄まじい。他の5選手がコンマ20~33に甘んじる中、6コースの琴美ちゃんだけが唯我独尊のコンマ02!!!! とんでもスタートでアウトから一気にまくりきった。それまで45走して3着すらなかった新人のホームランは、宮島史上で6番目の2918倍の超大穴に。昨日の莉里佳姫(写真↓)の2729倍といい、この期の女子の長打力は大谷翔平レベルとお伝えしておこう(笑)。

f:id:boatrace-g-report:20220201172449j:plain

 さて、早々に水神祭を済ませた琴美ちゃんではあったが、そこから先はまたゴンロク地獄。つい昨日までの5カ月間、【4着一本のみであとはすべて5、6着&Fなどの事故】と諸先輩の引き波を浴び続けた。
 そしてそして、今日の団体戦5Rは事故艇があったとはいえ、スリット~1マークを力強く攻めて3着GET! 待ちに待ったデビュー2度目の舟券絡みだ。節間成績も665553着とじわじわリズムアップで、連日の長打があっても不思議はないだろう。
 明日の琴音ちゃんは【3R6号艇】の一発勝負。若さは力なり。今日の3着で勢いづいた17歳の沖縄少女が躍動する姿を、我々は目の当たりにするのではなかろうか。(text/畠山)