BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――匠の勝負駆け

●地元の雄が予選トップ!

 予選トップ通過は今垣光太郎! 地元ビッグVにぐぐぐいっと近づいた。10Rは2着以上でトップという条件だったのだが、1マークを回ったときには3番手。しかし諦めずに追いかけ続け、2周1マークで逆転。まさしく、意地でトップをもぎ取ったという2番手浮上だった。
 でも、レース後のピットでは爆笑が起こっている。というのは、貼り出されたスリット写真を見る選手見る選手、いや関係者も、みなが大笑いしていたのだ。そのスリット写真がこちら。

 5艇立て!? んなバカな。そう、スタートで後手を踏んだ今垣が2コースの山本寛久に接近する格好となり、ほとんど縦に並んでのスリット通過となっていたのだ。こんなスリット写真、見たことないよー! というわけで誰もが爆笑。

 なんたって、今垣自身が笑っていたのだから、ちょっとした珍事だったのである。逆に言うと、この隊形からよく2着に来たよね。これも地元の意地。

●テラッチも嬉しい

 9Rで立間充宏が2着。これで予選突破を確実にした。西島義則が4号艇にいたので、進入からもつれそうではあったのだが、わりとすんなり目の枠なり5対1。立間はいったん先頭に立つ局面もあったものの、2着は悪くない結果だろう。
 明るい表情のレース後、エンジン吊りも終わると寺田千恵が寄り添って笑顔を交わし合う。テラッチは予選突破ならなかったが、旦那様のベスト18入りはやはり嬉しいのだろう。立間が着替えを終えたあとも、掲示板に貼り出されたさまざまな掲示物に並んで見入り、雑談に興じるのだった。一瞬、その場が立間家のお茶の間に!?

 その背後にピンク色の不穏な影が。「おおおおっいっ!」と大声でご夫妻を驚かせたのは山地正樹である。岡山支部の新兵が先輩たちに何をしてるんでしょうか(笑)。立間もテラッチも、いつものこととばかりにあしらってましたが(笑)。山地、髪色だけじゃなくその動きもなかなか目立っているのである。

●悄然

 9R勝負駆けだった吉川元浩は5着に敗れてしまった。ピット離れで遅れて、回り込んだが5コーススロー。納得のいくレースができずに予選敗退となった。
 レース後の吉川は、やはり渋面を作っており、また悄然とした様子にも見えた。初日1着2着からじり貧気味の予選道中、おおいに不本意な4日間となってしまった。また、これでオーシャンカップへの道も途絶えてしまったわけで、失うものの大きい敗戦だったのだ。それでも地力上位は明らか、一般戦では存在感を発揮してもらいたいところだ。

●足は良くなっている

 赤岩善生は前半の大敗で、9Rは勝っても準優ボーダーには届かないといった状況。結果は3着で、予選突破うんぬんに関係なく、勝てなかったことをとにかく悔しがっているのだった。赤岩は整備士さんにこうこぼした。
「足は良くなってるんだよ。着に結びつかんけど」
 序盤は厳しい足色にも見えていた赤岩、さすがの整備力で確実にパワーアップを果たしたのだ。結果が出ないことに首をひねるが、しかし我々としては明日からの一般戦でぜひ狙ってみたいですね。残り2日間で結果を出してください!

●メドは立ったか

 昨日のトピックス記事で、市川哲也がA1級勝負駆けと記されていたが、今日の市川は2着1着! 勝率もぐっとA1ボーダーに近づけたばかりか、見事に準優勝負駆けを成功させた。お見事! 10R逃げ切り後の市川は、歓喜よりも安堵のほうが目立って見えたような気がする。1号艇ということで気合も入っただろうし、また緊張感も高まっただろうし、今垣光太郎は3カドだし、といろんなものを背負っての逃げ快勝。さまざまな意味でホッとするのも当然だ。準優も内枠を手にし、次は優出を狙う。

●気合の整備

 後半の時間帯、白井英治はとにかく本体整備に明け暮れていた。10R発売中にスタート練習に参加すると、ボートを陸に上げて整備士さんと話し込む場面もあった。結果的に、12Rにはセット交換&キャリアボデー交換で臨んだ! 勝負駆けに大整備を施して、文字通り勝負をかけたのだ。
 道中4番手を走った白井は、そのままでは予選落ちとなっていたのだが、3番手の瓜生正義を逆転して3着ゴール。なんとか勝負駆けに成功した! それもあってか、レース後はゴキゲンで、差し切った吉川昭男の背中をポーンと叩いたり、2着の江本真治先輩を称えたりと終始笑顔。足的にも整備の効果を実感したかも!? 市川哲也とはかなり大声で、レースの流れを話していたのだった。こんなに明るいレース後の白井英治、珍しい!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)