水神祭は大はしゃぎのパーティーのようになっていたわけだが、もちろんその参加者たちは仕事もきちっとやっている。浮かれているのは水神祭のときだけ。そのへんのメリハリはしっかりしている。
なかでも土屋実沙希は、今日まさかの6着6着。昨日までは無傷の2連勝で暫定首位だったものが、一気にベスト18圏外へと転落してしまった。外枠だったから致し方ない、という部分もあるわけだが、土屋自身はそうは思っていないようだった。レース後、即座に整備室に飛び込んで、整備士さんのアドバイスを受けながら本体整備を始めていた。水神祭はその合間に行なわれたもので、その後も整備に復帰している。明日は1号艇で登場。巻き返すには逃げ切りしかない。そのための、本体整備だ。
女子版野中一平になりつつある中村桃佳も、ペラ調整所から駆け付けての水神祭参戦だった。中村が叩いている場所は、ペラ室外に設けられた調整所で、これがボートリフト真正面に位置している。懸命に叩きながら、リフト周辺が盛り上がっているのを見て、大急ぎで駆け付けて、自らドボン、というわけで、これまたもちろん、着替えを終えた後には調整所に戻って鋭い目つきでペラと向き合っていた。中村は明日、かなり厳しい勝負駆けになりそうで、そのための準備を着々と行なっているわけだ。
島田の水神祭に参加していた長嶋万記も、ペラ調整の合間に参加したかたちだ。水神祭では笑顔満開だった長嶋だが、それ以外ではかなり気持ちのこもった表情をしていて、すれ違っても表情はかなり硬い、というか、力強い。明日は1号艇も含めて2回乗りだが、少しでもいい枠での準優進出という思いは強いはずだ。この大会、なぜか相性が良くない長嶋。ここらでその呪縛を断ち切りたいところではある。
長嶋は高田ひかると連れだって水神祭に参加。高田も明日は大事な勝負駆け。ここまで持ち味の伸びはあと一歩二歩、という感じで、調整を急ピッチで進めたいところだ。ただ、明日はちょっと難しい局面というか、5号艇と1号艇なのだ。前半の5号艇で伸びを極限まで引き出して、1号艇につなげたいところだが、完全に伸びに特化してから1号艇に間に合わせられるかどうかも見ものではある。そして、明日は高田のバースデーです! 勝負駆けをクリアして、いい誕生日にしたいですね。あ、畠山も誕生日だったりします。
水神祭不参加組も、明日が勝負駆けということもあって、ペラ室や外の調整所には遅い時間帯にも選手の姿がそれなりに多く見ることができる。ここまで6着1本以外は上々の成績を残している金田幸子も、屋外のほうの調整所で、木製の台にまたがってのペラ叩き。今節、ここが金田の定位置になっていて、かなり長い時間、そこで彼女の姿を見ることができる。明日は大敗は許されず、しかし6号艇。万全にも万全を期して臨みたいところ。
あと、これは池上カメラマン情報なのだが、清水沙樹がチルトを跳ねて試運転をしていたらしい、という話がある。明日は6号艇1回乗り。一撃仕様ということか? 今のところ、18位ボーダーが6・00を下回っているので、1着なら予選突破の可能性も出てくる。ペラ調整も跳ねチルト仕様に叩き変えていたものだったとするなら、明日の気配がおおいに楽しみだ。直前情報、スタート展示、展示タイムなど、胸躍らせながらレース前にチェックしてください!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)