BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――めざせ水神祭!

 1R、清埜翔子が1号艇で登場したが、惜しくも2着。待望の水神祭はお預けとなった。ピットに戻った清埜は、淡々とした表情とも見えたが、もし逃げ切っていたら笑顔があふれていたであろうと想像すれば、これはやはり無念の表情だろう。枠番を考えれば、これはチャンスだったし、2着では物足りなかろう。

 今節は、GⅠ未勝利が清埜を含めて6名いる。そして、いまだ達成者はゼロ。昨日までに1号艇に入りながらも、水神祭を逃した選手もちらほらだ。たとえば、昨日の2Rで1号艇だった古賀千晶。インからコンマ09の踏み込みを見せたものの、足色は厳しく、4着に敗れた。レース後は懸命に調整、試運転を行なっており、意欲的な姿を見せてはいたが、今日も3Rでは振るわず6着。上向く気配はなかなか見えてこない。

 1Rで3着となった大橋栄里佳も、昨日は1号艇で敗れた。中村桃佳が前付けを敢行した1Rで、インからコンマ17は本来そこまで悪いスタートではないのだが、2コースの喜井つかさがコンマ05と踏みこんでは、理想の展開に持ち込むことができなかった。1Rの3着は、成績的には上向いたようにも見えるわけだが、その表情は決して明るくない。今日はこの後5Rに再登場だ。

 その5Rで1号艇に乗るのは中村かなえ。初戦2着から、6着、5着とやや後退。この1号艇は水神祭のチャンスであると同時に、巻き返しのきっかけにしたいところでもある。今日も早くから懸命のペラ調整。試運転に向かう際の表情はかなり気合の入った表情で、この1号艇に懸ける思いが伝わってくるものだった。

 2Rには、小芦るり華が6号艇で登場。さすがに6コースは遠く、5着大敗となってしまっている。小芦もまた、昨日1号艇が回ってきて、活かせなかった一人だ。この2R後は落胆の様子がアリアリで、水神祭は果たせていないとはいえ、昨日までは中間着にまとめていただけに、得点率的には痛い5着だった。明日は勝負駆けで、なかなか厳しい条件になりそう。準優行きを決めるためにも1着が必要となってきそうで、今日は一日、そのための調整と試運転に明け暮れることになるだろう。

 もうひとり、水神祭を目指すのは、まさにこれを書いている直後の4Rに1号艇で登場する島田なぎさだ。1Rは清埜の、2Rは渡辺千草のエンジン吊りで率先して動く島田は、もちろんその前には試運転を走り、ペラ室でしっかりプロペラと向き合っている。4Rの結果は……後ほど追記します。※追記:逃げ切り1着!

 2Rは、GⅠ初勝利を22年前に達成している渡辺千草が1号艇。といっても、その年から(00年)レディースチャンピオンがGⅠに昇格してのGⅠ初勝利であり、それ以前のこのタイトルも同等の価値があったと見るなら、さらにはるか前に女子ビッグの初勝利は達成しているわけである。女子で登番がいちばん上になった今、この1号艇をしっかりモノにした渡辺。水神祭を目指してもがく後輩を尻目に、見事に逃げ切ったのはまさしく貫禄! レース後に谷川里江とおどける様子もまた、実に風格十分なのであった。水神祭組も、この大先輩の背中を見ながら、何としても今節に達成を!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)