BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――さわやか

 優勝戦日の前半戦というのは、まあいつも書いているとおりに空気はわりと緩やかで、優勝戦メンバーはマイペースの動きを見せている。ペラ室で早くも作業をしている平本真之、というのは何も目新しいものではなく、優勝戦を控えてもわりと早めの始動をするのはよく見かけるものである。また、片岡雅裕もペラ調整室に姿があって、ゲージをペラに当てて確認作業といった雰囲気。そして白井英治もまたペラ室に……というのは、今節に限っては新鮮な光景。というのも、今節の白井はほとんどノーハンマーで戦ってきているのである。いよいよ優勝戦モードに入ったかと思えてくる。挨拶を交わしたときに穏やかな表情をしていたので、今日も大丈夫そうですか、と声をかけたら目つきがキリリッと変わって、ひとつうなずいたのだった。うむ、いい雰囲気だ。

 新田雄史と山口剛は涼やかな表情であった。新田はペラの方向性が完全に定まったのだろう、ゲージを片付け始めてもいた。優勝戦に駒を進めた選手はやはりそれなりに仕上がっている、というのを物語っているような動きと見えた。

 地元SG優勝戦1号艇、というのはさすがに菊地孝平であっても緊張感があるかも、などと想像していたが、朝一番で顔を合わせたときの「おはようっす!」の表情がなんとも爽やか。もちろん緊張感ゼロとは思わないが、さすがに踏んできた修羅場の数が違うな、と思ったり。3R、坪井康晴が逃げ切り。エンジン吊りに出てきた菊地はやはり爽快に笑いかけて、坪井もニコニコと目を細めた。12Rはこれが逆になるのかなあ、などとどうしても想像してしまったのであります。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)