１Ｒ発売中、はっきりと確認し切れなかったのだが、清水愛海が試運転で転覆したようで、整備室では大勢が清水を取り囲んで転覆整備をヘルプしていた。なにしろ３Ｒに出走なので、時間が残り少ない。そこでかなりの選手たちが駆け付けたというわけだ。そのなかには、平高奈菜、田口節子、守屋美穂、平山智加の姿もあった。中四国地区の後輩とあって、その輪に加わったというわけだ。今節の最若手選手のヘルプに参加するクイーンズクライマックス優勝戦の１～４号艇。清水としては、なかなか恐縮してしまいそうな場面である。もちろん、こうしたときは先輩も後輩もないのがボートレーサーたち。とにかく急いで整備を終わらせなければ！
２Ｒ発売中、プロペラを手にペラ室に向かう遠藤エミ。そのとき、ピットのど真ん中には大きなカラスがデーンと鎮座していた。遠藤が脇を通っても、まったく動じないカラス。どけどけカラス、このお方をどなたと心得る。女子初のＳＧウィナー様だぞ！ 遠藤はちらちらをカラスを気にしながらペラ室へと向かっていったが、やっぱり動じない豪胆カラス。まったくもう……。
などということを書くしかないくらい、今朝は大きな動きがなかった！ 言ってしまえば、クライマックス組全員がペラ調整を始めているといったくらいなのである。もっと言えば、シリーズの優勝戦メンバーも同様。もちろん余裕の振る舞いというわけではない。だが、ピットはあまりに静かであって、シーンという音が聞こえてきそうなほどなのである。
それでも、２Ｒのエンジン吊りに向かう前に、長嶋万記や守屋、田口が水面に出ようということなのだろう、自艇の操縦席にペラを置いてからリフトへと向かっている。どうやら３～４Ｒ発売中あたりから動きが見られそうな気配だった。優勝戦にきっちり残ってきた面々だ。もう大きな整備などは必要なく、しっかりコンディションに合わせる作業を行なっていくことになるだろう。緊張感もじわじわと高まっていくはずだ。
シリーズ組も大きな動きが見られなかったと書いたが、１Ｒ発売中に唯一、宇野弥生が試運転をしている。何周か走ったあとにボートを陸に上げ、プロペラ室へ。あと、２Ｒ発売中に清埜翔子がプロペラを装着する動きを見せていた。早い段階で水面にボートを下ろすかも。
というわけで、なんとも静謐な大晦日の朝から昼、なのでありました。今年最後の戦い、選手たちも悔いのない戦いを！（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
